OracleがSunを買収、今年の夏には完了へ
およそ2週間前にIBMやHPがSunの買収に向けて動いていたのですが、なんと最終的に買収したのはOracleでした。1株あたりの価格は9.50ドル(約936円)で、Sunは満場一致でこの売買を承認済みとなっており、この夏には買収が完了する予定です。最終的には発行株数に対しては74億ドル(約7294億円)、Sunの負債分などを差し引くと56億ドル(約5519億円)に到達すると見られています。
ちなみに、Sunの現在の従業員数は3万人で、顧客は160カ国に4万7000社、年売上は130億ドル(約1兆2814億円)。対してSunを買収したOracleの現在の従業員数は8万6500人で、顧客は145カ国に32万社、年売上は240億ドル(約2兆3656億円)だそうです。
JavaやSolaris、MySQLなどについて、今後どうなるかが気になるところですが、詳細は以下から。
Oracle and Sun
Media Kit: Oracle to Acquire Sun
Sun and Oracle
Oracle to Buy Sun
これは現地時間の2009年4月20日に発表されたもので、オラクルはサン・マイクロシステムズ(サン)を買収するために協定を結んだと発表、この買収が完了するまではそれぞれの会社は独立して営業を続けるとのこと。
また、オラクルのCEOであるラリー・エリソンいわく「Sunの買収後は業界最高の企業ソフトウェアおよび基幹計算機システムを含んだ企業が完成するだろう」としています。
さらに、それぞれの企業の顧客が今回の統合にあたって何かしなくてもよいように調整するとしており、今回の統合によってシステム性能、信頼度およびセキュリティを上げてシステムインテグレーションコストを下げ、結果的に顧客は利益を得るだろうとしており、特にSunのJavaとSolarisについては2つの重要なソフトウェア資産であるとし、オラクルに本質的で長期戦略的な顧客利点をもたらすとしています。
なお、オラクルは自社のデータベースソフトをSolarisのハイエンド機能にさらに最適化していく方針であり、サーバとストレージビジネスに特化していくとのこと。MySQLはOracle Database 11g・TimesTen・Berkeley DBなど既存データベースプロダクトのエディションの一つとなっていくことになる模様です。
また、Javaについては引き続き投資を行って継続的な開発を保証、SolarisとOracleの組み合わせについてはよりよいパフォーマンスと信頼性、管理しやすさを追求し、SPARCについては大規模な顧客を保護するために引き続き投資を行い、Oracleのビジネス範囲を広げ、サーバーやストレージにまで拡大するとしています。
ということは、MySQLがさらに発展してエンタープライズ用途へ向かうという進化はもうなくなり、やはりそういった用途はOracleを使うようにさせる、という棲み分けが今後はより明確になる思われます。
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