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フルHDサイズ(H.264+AAC、1920x1080)のムービーを低いCPU負荷でぬるぬる再生する方法


前回の記事では、VAIO type PでHD動画がスムーズに再生できるかどうか、いろいろと試してみたわけですが、いよいよ次は「VAIO type P」でフルHDサイズ(H.264+AAC、1920x1080)のムービーを再生させるためにがんばってみました。VAIO type Pは解像度が1600×768なので、やはりフルHDを再生させないと意味がないに違いない!というのが理由です。

結論から先に言うと、H.264のフルHDムービーをCPU負荷20%~30%という低い負荷でぬるぬる再生することが可能でした。今回は「Intel GMA 500」のハードウェア・デコーダ機能を使いましたが、同様にして「NVIDIA PureVideo HD」や「ATI Avito HD&UVD」などのDirectX Video AccelerationDXVA)が有効になるものであれば、ほかのPCでも応用可能ですので、知っておいて損はありません。

テストに使用したフルHDサンプルムービー、そして最終的にたどり着いたH.264のフルHD動画をスムーズに再生する方法は以下から。
■H.264(MPC-HC)でフルHDの場合
いよいよここからはフルHDサイズ(H.264+AAC、1920x1080)のムービーを再生させてみましょう。VAIO type Pと同じくIntel SCH US15Wに統合されたグラフィックス機能「Intel GMA 500」による動画再生支援機能が利用可能な「WILLCOM D4」について、詳細な設定方法が書いてある「Willcom D4 まとめ - その他情報 - H.264の再生支援」を参考にしました。

・使用したムービー
いつでもどこでもDivXビデオを | DivX.com」のページにあるDivX Plus HDムービー(H.264+AAC、1920x1080)を使いました。


・使用したプレイヤーとコーデック
MPC-HC v1.2.908.0」と「PowerDVD 8 Ultra」を使います。PowerDVDのページにある「製品情報」タブの中の「高画質で再生」の説明によると、「ハードウエアアクセラレーション」として以下のように書いてあります。

CyberLink PowerDVD 8 は Intel, NVIDIA そして ATI の各グラフィックカードに最適化されており、ストレスのない影像を楽しむことができます

「影像」は誤字だからスルーするとして、とりあえずPowerDVDはちゃんとIntelの動画再生支援機能が使えることがわかります。

また、今回は比較として、さらにDivX 7のH.264デコーダを明確に指定して使った場合、どうなるかも試しています。

・設定方法
製品版の「PowerDVD 8 Ultra」をインストールしたフォルダ内にある「VideoFilter」フォルダをまるごとコピーしてMPC-HCの本体があるフォルダと同じ場所にコピーします。ほかの製品版以外のバージョン違いではどうなっているかは未確認です。


MPC-HCを起動し、「View」から「Options」をクリック


「Internal Filters」をクリックし、「H264/AVC(DXVA)」と「H264/AVC(FFmpeg)」のチェックを外します


既にffdshowをインストールしている人は「H.264/AVC」を「無効」にしておきましょう。


次に「External Filters」から「Add Filter」をクリック


「Browse」をクリック


「CL264dec.ax」を選び、「開く」をクリック


「Cyberlink H.264/AVC Decoder (PDVD8)」と表示されるのでダブルクリック


「Use DxVA」にチェックを入れて「OK」をクリック


「Prefer」にチェックを入れます


「Output」から「EVR」にチェックを入れて「OK」をクリック


ムービー再生中に画面上で右クリックし、「Filters」の中に「Cyberlink H.264/AVC Decoder (PDVD8)」と表示されればOK。


・テスト結果
まずこれがDivX 7のH.264デコーダーを使った場合。CoreAVCの場合もまったく同じでした。コマ落ちや音ズレが激しく、音楽再生が終わってもまだ映像再生が終わらず、かなりひどいズレが起きています。CPU負荷も常に100%です。

ところが「Cyberlink H.264/AVC Decoder (PDVD8)」を使うと20%~30%程度まで一気にCPU負荷が落ちています。これが動画再生支援機能の威力です。


ちなみに上記テストはすべて一気に行っており、以下がその様子です。

・結論
VAIO type PのIntel Atom CPU Z540(1.86GHz)という非力なCPUであっても、動画再生支援機能があれば、フルHD動画がコマ落ちなくスムーズに再生できることがわかりました。なかなかいい感じです。ただし、YouTubeのHD動画やニコニコ動画の高画質なムービーなどは同じH.264であってもFlashなのでこのような再生支援ができず、無理でした。残念。

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in レビュー,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse

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