ヒトの脂肪で車を走らせた形成外科医
今年は燃料価格の高騰によりバイオディーゼルが注目されましたが、ビバリーヒルズの形成外科医が手術で吸引した患者の脂肪を車の燃料として使っていたことが明らかになりました。
詳細は以下から。Fill 'Er Up With Human Fat - Forbes.com
ロサンゼルスで診療所Beverly Hills Liposculptureを営むCraig Bittner医師は、脂肪吸引手術で廃棄されるヒトの脂肪を精製し、自身のFord SUVとガールフレンドのリンカーン・ナビゲーターを走らせていたそうです。彼はこの燃料を「Lipo-Diesel」(脂肪吸引法Liposuction、通称「Lipo」より)と命名していました。
ヒトの脂肪はほかの動物性・植物性の油脂と同様にトリアシルグリセロールを含み、精製してディーゼル自動車用燃料とすることができます。元の脂肪の量と同程度の燃料を得ることができ、燃費も通常のディーゼル燃料と同程度。植物油には無い遊離脂肪酸を除く工程が必要なほかは大豆やトウモロコシなど植物由来のバイオディーゼルと変わらないとのこと。
ヒトの脂肪をリサイクルしたバイオディーゼルは環境に優しいのかもしれませんが、カリフォルニア州では医療廃棄物で車を走らせることは明らかに犯罪であり、Bittner医師は州公衆衛生局の捜査を受けているとのこと。Bittner氏がいつからいつまでこの「Lipo-Diesel」を作っていたのかやその手法は明らかになっていませんが、この違法行為は彼が助手やガールフレンドに無免許で手術を行わせていたとして複数の患者から訴えられたことをきっかけに明るみに出ました。
「lipodiesel.com」(Bittner氏が運営していたサイト。すでにウェブ上から消えています)には「腰回りやおなかの脂肪と決別できるのみならず、地球を救うことに貢献できる」「患者の大部分が、吸引した脂肪を燃料として使ってほしいと言う。使い切れないほどたくさん脂肪がある」などと書かれていました。
ウェブサイトによるとBittner氏は11月に診療所を閉鎖し、南アメリカの診療所でボランティアとして働くとのことですが、捜査を受けて高飛びした可能性が高い模様。Bittner氏の弁護士はコメントを求める電話に応じなかったとのことです。
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