脂肪がダイエットの大敵というのは大いなる誤解でむしろ健康に良い

By 孫詩敏

ダイエット中の人にとって「脂肪」は憎き敵で、絶対に取ってはいけないものと認識されています。また、脂肪はコレステロールが気になる人にとっても嫌われています。ところが、脂肪は健康の敵ではなく健康の友と言うべき存在であることがアメリカの研究で判明しました。

A Chef and Doctor Talk About Butter - Medium
https://medium.com/mind-the-body/5e4bd73430dd

Eleven Eleven健康センターの創立者で内科医のFrank Lipman博士と、料理コンテストの受賞経験豊富な料理人でNYのTertuliaのオーナーシェフSeamus Mullen氏は、ダイエットに関して、栄養士が「避けるべき」とよく言うおいしい食べ物、例えばバターなどについて共同で研究してきました。この両氏が、質問を受け回答するという対話形式で研究の成果を発表する中で「脂肪は健康の友である」という驚くべき内容が明らかにされました。

By Thomas Hawk

質問者(以下、Q):
バターのような脂肪は「悪魔」のように忌み嫌われてきましたが、一体どのようにして悪魔に仕立て上げられたのですか?

Frank Lipman博士(以下、FL):
これまで脂肪はダイエットの敵とみなされ、低脂肪食品が大流行してきましたが、これは飽和脂肪酸が健康に害であると認識されだした1980年代後半に始まりました。問題は、すべての脂肪分が身体に悪いというわけではないのに、大衆受けの良いようにあまりにも簡略化されて「脂肪=害」と伝えられたことです。

Seamus Mullen氏(以下、SM):
脂肪の弊害についてあまりにも単純化されて伝えられたため誤解を生んできたと考えています。ヘルシーフードピラミッドはより多くの穀物類を取るよう忠告しますが最近の研究からは、総合的に見れば脂肪には穀物以上に健康にとって有益な働きがあることが明らかになっています。例えば、純天然バター(草を食べて育てられた乳牛のミルクから作られるバター)は、善玉コレステロールの重要な源であり良好なエネルギー源なのです。

Q:
けれどバターは心臓に悪くありませんか?コレステロール値についてはどうですか?

FL:
それは脂肪の種類によります。例えば、トランス脂肪酸は身体に悪いため避けるべき脂肪です。トランス脂肪酸はコレステロール値を高め動脈血栓を引き起こす危険がありますから。しかし、肉やバターの脂肪と心臓病の関連性はきわめて小さいものです。最近の研究では炭水化物の方がずっと大きな問題であることが明らかにされています。

SM:
身体の機能を健全に保つためにコレステロールは不可欠です。よく善玉コレステロールと悪玉コレステロールのことを耳にしますが、正しく理解されていないようです。例えば、コレステロール値が高い人にとっては、悪玉コレステロール値が高いことはそれほど問題ではなく、むしろ善玉コレステロールが不足していることが脅威なのです。つまり、善玉/悪玉両コレステロールの比率が大切なのですが、多くの人は誤解をしています。また、高コレステロールは、炭水化物やトランス脂肪酸のような身体に悪い脂肪ばかり取り、身体に良い脂肪をほとんど取らない場合に起こるのです。

Q:
純天然バターのような良い脂肪があるとは知りませんでした。他にもみなが驚くようなものはありますか?

FL:
乳牛は本来草をはみます。太陽と新鮮な空気のある牧草こそ乳牛が食べるものなのです。決して遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆を食べる生き物ではないのです。食べ物を変えることは病気を引き起こします。そのため牛には多くの抗生物質が与えられています。みなさんは、草を食べて育った牛のバターや肉を探すべきです。

SM:
牛は反芻動物であり、四つの胃をもちます。おかげで草から栄養をかき集めることができるのです。すべての牛は草で育てられるべきです。もっといえば、すべての生き物は自然が意図したとおりの食べ物で育てられるべきです。牛を泥だらけのフィードロットに詰め込み遺伝子組み換えのトウモロコシと大豆で太らせたり、豚に感染病予防策として大量の抗生物質を投与したりすることは、自然の食物連鎖から大きくかけ離れた道をさまよい歩く行為なのです。

By Maciej Lewandowski

Q:
低脂肪食品やスキムミルク(脱脂粉乳)についてはどのようにお考えですか?

FL:
私たちは「本物の食品」を食べるべきです。なるべく自然に近い物をです。これこそが食品問題に対してできることです。低脂肪食品やスキムミルクについては忘れてください。バターはなるべく加工しないことです。脂肪を食べるなら、良い品質の物を成分を一切除去せずすべて取ることです。アボカドを食べ、料理にはオリーブオイルやココナツオイルを使い、ナッツや天然の鮭、純天然バター、そして草で育てられた牛肉を食べてください。

SM:
私は脂肪を除去した食品、特にスキムミルクや脂質ゼロのヨーグルトなどは危険な食べ物だと考えます。1杯のミルクから含有脂質を取り除くとき多くの量を失います。これはミルクが脂質含有量の多い砂糖に置き換えられることを意味します。人を太らせる原因はミルクの中の脂肪ではなく砂糖なのです。

Q:
脂肪について、間違って伝えられていることは他にもありませんか?

FL:
これまでみんな脂肪を恐れすぎでした。多くの人は脂肪が満腹やミネラルの吸収、受胎、皮膚、髪、爪、記憶にとって重要であることを忘れています。またビタミンA、D、E、Kは脂溶性があり吸収するには脂肪が必要なことも重要なこととして覚えておくべきです。ビタミンDのサプリメントは脂肪の含まれる肉と一緒に食べてください。

SM:
体重の増加についての分析において「カロリー」という概念は不完全であまりにも簡略化された要素です。脂肪を取ることは太ることと同義ではありません。ステーキから脂肪をカットすることは体重増を防ぐことにはなりません。今日では体重増はインスリンの生成と密接な関連があることが分かっています。血糖値の急上昇を引き起こす食べ物が太る原因の大部分、つまり砂糖が肥満の原因です。オリーブオイルや純天然バターやアボカドのような脂肪は血糖値を上げません。これらの食べ物は、脂肪を使いやすいカロリー(熱)に効果的に変換することを可能にするのです。

By Alan Cleaver

私たちは脂肪を諸悪の根源ととらえこれをいかに減らすかがダイエットの決め手であるかのような印象を持っていますがこれは大きな間違いであるようです。脂肪がもつ効用の数々を知れば、単に脂肪をカットするというダイエット法が間違いなのは明らか。「良い脂肪を質の良い食品から取る」というみるからに健康的な方法がダイエットにも健康維持にも大切であるようです。脂肪を敵ではなく友と再認識することがぜひとも必要であると言えます。

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