ビートルズが初のアメリカツアー前に行った特別ライブの未公開映像が44年ぶりに発見される

世界を代表するロックバンド、ザ・ビートルズの名前を知らない人はほとんどいないでしょうし、その楽曲はイヤでもどこかで聞いているはず。40代以上の人なら来日公演の熱狂を覚えている方も多いかも知れません。

彼らは1962年に「Love Me Do」でデビュー、セカンドシングルの「Please Please Me」がイギリスで大ヒットとなり一躍イギリスNo.1バンドとなりました。しかし、当初はアメリカではまったくヒットせず、ビートルズ旋風が巻き起こるのは5枚目シングルの「I Want To Hold Your Hand(抱きしめたい)」によってでした。そして1964年に初のアメリカツアーが行われたわけですが、なんとこのツアーでのライブ直前に、スケジュールの予定外のライブを行っていたそうで、これまで見つかっていなかった映像が44年ぶりに発見されたそうです。

詳細は以下から。
Beatles video unearthed after 44 years - Telegraph

問題のフィルムは1964年、カンザスシティーでのライブを記録したもので、映像はカラーですが音は入っておらず、長さは31分間。撮影したのは当時15歳だったDrew Dimmelさんで、父親の真新しいビデオカメラを持ち出し、厳しい制限があったにもかかわらずどうにか撮影に成功したそうです。

撮影後、Drewさんは家に帰ってフィルムをチェックして引き出しにしまうとそのままフィルムのことを忘れ去ってしまいました。2ヶ月前ほど前、今はもう59歳になったDrewさんが両親の家を片付けていると偶然にこのフィルムを発見、思わず呆然としてしまったそうです。

これが発見された映像。リンク先でちょっとだけ見ることができます。
Unseen Beatles Footage

Drewさんが撮影したカンザスシティーの市営スタジアムでのライブは、当時カンザスシティーに本拠を構えていたメジャーリーグ球団・アスレチックスのオーナーであるチャールズ・フィンリーがたいそう不人気だったためコンサートのボイコットを促す記事が地方新聞に掲載され、その結果スタジアムの半分は空のままだったようです。

回想によれば、Drewさんはカンザスシティーでビートルズがライブをやるということを聞きつけて父親を説得、1枚6.5ドルで自分と弟のチケット2枚を購入したそうです。ライブは1964年9月17日の夜に行われ、スタジアムには2万人の観客が集まりました。Drewさんが父親のビデオカメラを借りてスタジアムに行くと、父親の友人である新聞記者がDrewさんたちのためにちょっとだけビートルズを撮影してきてあげると申し出てくれたので、ビデオカメラを渡して撮影してもらったそうです。翌日、中身については触れずにフィルムをカメラ屋に持って行って現像してもらい、家でちゃんとビートルズが映されている様子を確認してリールを引き出しに入れました。そして44年間、この映像は忘れ去られていたわけです。

このフィルムは現在イギリスのオークションハウスで競売にかけられているそうで、11月4日には落札者が決まるそうです。予想ではだいたい6000ポンド(約100万円)で落札されるとみられています。