地デジの利便性を損ない、普及を妨げる原因となっている謎の私企業「B-CAS社」に行ってきました
2011年7月24日までに現在のアナログ放送は完全終了してしまい、地上デジタルに移行せざるを得なくなるわけですが、一体何のメリットがあるのかというと「画質が良くなるだけ」というのが現状です。地デジはすべて暗号化されており、地デジ専用のチューナーでないと受信できません。そのため、現在販売されている地デジチューナーにはすべて「B-CASカード」という謎のカードが同梱されており、B-CASカードを挿入していないと地デジは見ることができない仕組みになっています。
これが地デジの普及を妨げる原因となっています。なぜかというと、B-CASによる暗号化解除の仕組みを搭載するためムダにチューナーの価格が押し上げられて高くなり、加えて無料放送なのに暗号化されることでコピー制限され、アナログ放送と同様の利便性が皆無になっているためです。はっきり言うと百害あって一利なし、地デジが普及しない諸問題の根源と言ってもほぼ差し支えないものになっており、一般の消費者にとってあまりにも邪魔な存在なので、総務相の諮問機関でもついに地デジ普及を妨げるB-CASを見直すことを明確に発表する事態となりました。
そして、このB-CASカードの発行や管理を行っているのが株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ、略してB-CAS社です。これまで長い間、会社の公式サイトに住所を掲載せず、つい最近になってあらゆる方面からその不透明な体質が批判されて、ようやく登記上の本店所在地のみ公開を行ったわけですが、本当にその住所にあるのでしょうか?ちょっとのぞきに行ってきました。
行ってきた場所はここ
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向こうに見えているビルがB-CAS社の住所と一致します
B-CAS社がその全貌をついに表した!
このビル全部がB-CAS社なのかと思いきや……あれ?6階だけ?
表から見る限り、このビルはいろいろなテナントが入っているビルのようです。どういう条件でここを選んだのかは不明。
入り口はこんな感じ
6階を外から見てみるが、中の様子をうかがい知ることはできません
ビルの前から来た道を振り返ってみました。華やかな表の通りから一本入ったところにあるわけです。
本当にここで正しいのか不安だったのですが、どうやらここで合っているっぽい
日経新聞を購読しているらしいですね、どうやら……
外から見ると6階だけとなっていましたが、7階もB-CASになっています
これが厳重なセキュリティで守られているB-CAS社の入り口。ここまでがアポなしだと限界でした。
残念ながら中を撮影することはできなかったのですが、一体誰がB-CASで得をするのか、なぜこんな仕組みが必要なのか、そもそもB-CASとは何のために必要だったのか、今後どうなるのか?そのあたりを含め、いろいろと調べていく予定です。そのため、一般に報道されることのないB-CASの実態や各種情報、知られざる内部事情、財政に関してわかるヒントなどを募集していますので、タレコミしていただけると非常に助かります。
なお、Wikipediaの「B-CAS」の項目がものすごいことになっており、山ほど問題を抱えていることが容易にわかります。
B-CAS - Wikipedia
無料で見られる地上デジタル放送のはずなのに、なぜ世界で唯一、日本だけが暗号化を施しているのでしょうか……。
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