ネットのヘビーユーザーへの帯域制限、本日業界団体がガイドライン発表へ
ファイル交換ソフトや動画共有サイトなどを利用するヘビーユーザーに対して、プロバイダが帯域制限を行うことを以前からGIGAZINEでもお伝えしてきましたが、朝日新聞社の報道によると本日、プロバイダの業界団体が正式にガイドラインを策定して発表するそうです。
これによりヘビーユーザーの帯域を制限する業界統一ルールができることから、制限の動きが広がる可能性があるとのこと。
詳細は以下から。
asahi.com:ネット「ヘビーユーザー」制限へ指針 業界が渋滞緩和策 - ビジネス
この記事によると、177の企業や団体が加盟する日本インターネットプロバイダー協会などの4団体が本日、ヘビーユーザーに対する帯域制限を盛り込んだ「帯域制御(通信速度の制限)の運用基準に関するガイドライン」を発表するそうです。
これはファイル交換ソフトユーザーやYouTubeなどの動画共有サービスの利用者によって、インターネットのトラフィックが3年で約2.5倍に急増しているため。
なお、通信量増加に対しては「原則として設備増強で対応すべきで、通信速度の制限はあくまでも例外的な手法」としており、その上でファイル交換ソフトの利用者や一定以上のトラフィックを占めているユーザーによって、ほかのユーザーの通信に支障がある場合に通信速度制限が認められると定めたそうです。通信速度制限を実施する場合には利用者への十分な情報開示を必要としていますが、具体的に何をどれぐらい開示されるのかは不明。
ちなみに日本インターネットプロバイダー協会のページで(PDFファイル)「帯域制御(通信速度の制限)の運用基準に関するガイドライン」の案が公開されていますが、その内容によるとファイル交換ソフトによる通信を完全に遮断することは、帯域を一定量に制限するといった、より緩やかな方法があることから、一般的に正当な業務行為として認めることは困難であるとしており、仮に導入する場合は当事者の同意を得る必要があるとしています。
つまりこの案に沿ってガイドラインが策定されるのであれば、P2Pなどに対してとんでもない規制をかけている一部のプロバイダは規制を緩和するか、もしくは規制に対してユーザーの同意を得ないといけないことになるようです。
各プロバイダが現在行っている規制情報に関しては以下のサイトにまとめてあります。
ISP規制情報Wiki
最初から規制内容を公表している場合はまだ良心的なのですが、加入する際や問い合わせをした場合には「規制は行わない」と回答しているにもかかわらず、実際には規制を行っている場合があり、規約にも詳細が明記されていないという場合が多々あるというのが実情なので、今回のガイドライン発表によって各プロバイダが利用者により透明性の高い情報開示を行うことを願うばかりです。
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