チェルノブイリ原発事故で死の灰からモスクワを救うためにどうしたか?
1986年4月26日、旧ソビエト連邦にあったチェルノブイリ原子力発電所で大規模な爆発事故が発生しました。当初、ソ連はこの事実を発表しなかったのですが、スウェーデンで放射性物質が発見されて事故が発覚。爆発によって、10トン前後と推定される原子炉内の放射性物質が大気中に放出されました。
この放射性物質からモスクワを守るために行われたのが「雨雲を作る」ことでした。
詳細は以下の通り。
'How we made the Chernobyl rain' | International News | News | Telegraph
Aleksei Grushin少佐によると、事故によって発生した放射能雲は、西風にあおられてモスクワやノヴゴロドといった人口密度の高い地区へと広がりました。もしこの時に放射性物質を含んだ雨が降っていた場合、百万人規模の大災害になったかもしれなかったそうです。
そこでソ連政府はヨウ化銀を詰めた砲弾を空に撃って、人工的に雨雲を作って放射性粒子を洗うことにしたそうです。ヨウ化銀の粒子は氷や雪の結晶に似ているので、雪片を成長させやすいとのこと。
ただし、大都市は守られたものの、降雨をうけたベラルーシの大地は4000平方マイル(約1万平方km)にわたって犠牲になりました。この降雨について、1992年からベラルーシを訪問しているFlowers氏によると、人工降雨で放射性物質を降らせることについてベラルーシの人々に注意喚起や警告が一切無かったという指摘がなされています。
人工降雨は干ばつに悩む中国などでは積極的に行われているようで、降雨のための道具一式は50万元(約770万円)ぐらいするそうです。
広東:効果抜群、人工降雨機は50万元なり
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