デザイン

Googleのオフィスはいかにして作られたのか


Googleのかの有名なオフィス空間ですが、あれにももちろん設計した人がいるわけで。ニューヨークのワークプレースコンサルタント会社DEGWと、ロサンゼルスに拠点を置くClive Wilkinson ArchitectsがカリフォルニアにあるGoogle本社の設計及びデザインを担当したそうです。

長い会合を重ねてたどりついた新しい職場デザインの構想は、クリエイティブな活動を行うため、そして働くという概念をリラックスするというものに変えるために、オープンなオフィス空間を目指すというものになったそうで。

さらなる詳細は以下の通り。今まで未公開だったGoogleの初期オフィス案や珍しいオフィス全景などもあります。
Behind the Glass Curtain | Metropolis Magazine

基本的にはマイクロソフトが「キャンパス」と呼ばれるように大学を意識して本社を設計したのに対して、Googleは「ブティックホテル」という感じで設計したそうです。設計者のWilkinsonによると、イメージとしては「街の広場」みたいな雰囲気にして、訪問者が入ってくるロビーを「待合室」にたとえ、そして中央に巨大な階段をくっつける、というもの。言われてみれば駅とその駅前広場みたいな雰囲気は確かにありますね。駅前にたむろする若者も多いですし、ああいうデザインはくつろぐことができる感じを醸し出すのかも知れません。


Google本社ビル群を上空から見たもの

再デザインされる前のGoogle本社ビルの中。SGIが使っていたそうです。

初期ラフデザイン

また、職場の空気を友好的なものにするためにもこのオフィスデザインのプロセスが一役買っているそうで。よくありがちな注文としては革新的で普通でないワークスペースを設計して欲しいという要求が多いそうですが、今回のGoogleの場合は働いている人々が様々な人種であり、右脳も左脳も同様に多く使用し、しかも桁違いの集中力を要求される仕事が多い、ということを鑑みて、さまざまな作業環境の研究を行い、生活環境としても十分成立する設計にしたそうです。

ガラスの壁で仕切る案

最終的なフロアプラン。光がどこにでも入るように設計されている

最終決定案一歩手前のデザイン

で、設計のための打ち合わせ作業などの間、Googleの創業者二人は設計の美学とかそういうのにはあまり興味を示さず、いかにGoogleにとって一種のシンボルでもある例のラバランプと様々なおもちゃを配置するかに苦心していたそうで。だからあんなにおもちゃ箱みたいな感じに最終的になったわけですか…。

パブリックスペースとプライベートスペースをいかにつなげていくかという考えのスケッチ

本や雑誌をどこに収納するかという考えの末に出てきたデザイン

この有名な食堂はデザインされたものではないとのこと。

この中央階段はそこに座って、ノートパソコンを開くということを前提に作られたそうです。

デザインの案を出す場合も非常に困難を極めたらしい。というのも、Googleは本質的にエンジニアの人々が勤める職場なので、どういう推論の結果このデザインがいいという結論に至ったのかを説明しなくてはならず、何を根拠にこうなったのか、このデザインを採用するとどうなるのか、何が解決できるようになるのかといった諸々の理由や計画を提示する必要があったそうで。そのため、担当した設計事務所のチームは朝から晩までああでもないこうでもないと頭をひねりまくったそうです。

Googleの色とりどりなところを取り入れたもの

最終的に設計デザインを決めるに当たり、あらゆる種類のサンプルを提示、Googleの従業員にアンケートを取って実際にどのようにスペースを有効活用しているのか、何をドコでどのようにしているのかを調査、その結果、13個の異なる設計に基づいたゾーンを含むオフィスデザインになったそうです。例えばクラブハウス風のオフィスゾーンにはビリヤード台があり、ラウンジがある、といった感じ。もうむちゃくちゃですね…。

ブレインストーミング用の場所

集中できる職場…らしい

さらにそれらを5ないしは6に目印を設定して分割し、共有スペースがすべての中心に来るように設計したわけです。そのために作られたのがあの中央の大階段というわけです。オープンな雰囲気を出すためにガラスの区切りを使用し、立体的にそれらを組み合わせることで作業に集中しながらも行き来が容易く、そして互いにコミュニケーションしやすくしたわけです。このあたりは今までの作業の苦労が結実したと言ったところですか。

また、外壁にガラスが多いのは、創業者二人が空気や自然光をオフィスに取り込むことを切実に要望したからだそうで。そのため、日光と外を吹く風がオフィスのドコであろうと差し込み、吹き込むように設計されているそうです。光をふんだんに利用するため、天井はアクリルで覆われたポリエステルファイバーで作られており、光を反射し、あらゆるところに満遍なく光を届けるそうで。

太陽光がどのように差し込むかを側面から見たところ

ガラスで仕切られた職場

新しくデザインされたライトパネル

こうやって見ると、いろいろと変わったことをやってますね。

ちなみに、GIGAZINEを更新しているオフィスも先月末に自社ビル1階から新しくリフォームした自社ビル4階へ移動しました。あまりにも天と地ほどの差があるので、記事としてレポートしようと思います。来週をお楽しみに。

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in デザイン, Posted by darkhorse_log

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