アカデミー撮影賞の受賞作品を第1回から89回まで7分半で全網羅できるムービーが公開中
アメリカ時間の2018年3月4日(日)に第90回アカデミー賞の授賞式が行われます。90回の節目を迎えるアカデミー賞の撮影賞には、日本で公開済みの「ブレードランナー 2049」や「ダンケルク 」など5作品がノミネートされており、どの作品が受賞するかは、予想がつかない状況です。YouTubeで映画関連のムービーをアップロードしているBurger Fictionでは、第1回から第89回までのアカデミー撮影賞受賞作品をまとめたムービーが公開されており、これまでの受賞作品の傾向から今回の受賞作を予測することもできそうです。
Every Best Cinematography Winner. Ever. (1929-2018 Oscars) - YouTube
第1回はアカデミー芸術作品賞も受賞した「サンライズ」が選ばれています。サイレント映画ですが、映画史上初のサウンドカメラで撮影され、サウンドトラックの付いた作品としても有名です。
第2回は「White Shadows in the South Seas」です。
第3回は「バード少将南極探険」です。リチャード・バード氏が実際に南極を探検した様子を描いたドキュメンタリー映画です。
第4回は「タブウ」です。撮影賞を受賞していますが、出演者に全員素人を起用するという異色な映画としても有名。
第5回は「上海特急」です。1932年の映画では最高の興行収入を上げています。
第6回は「戦場よさらば」です。この作品はアカデミー録音賞も受賞しています。
第7回は「クレオパトラ」です。「クレオパトラ」は当時作品賞と録音賞にもノミネートされていました。
第8回は「真夏の夜の夢」です。上映当初は評価が賛否両論あったこともあり、あまり興行収入は伸びなかったとのことですが、編集賞も受賞しており、現在では高く評価される作品になっています。
第9回は「風雲児アドヴァース」です。この作品は撮影賞の他に「編集賞」「作曲賞」を受賞しており、さらにフェイス・パレオロゴス役のゲイル・ソンダガードが「助演女優賞」を受賞しています。
次に「沙漠の花園」です。当時まだ珍しかったテクニカラーを使用したカラー映画であったことから、その撮影法が評価され、アカデミー名誉賞を受賞しています。
第10回は「大地」です。王龍役のルイーゼ・ライナーが「主演女優賞」受賞しています。他にも「作品賞」「監督賞」「編集賞」にもノミネートされています。
当時、カラー映画向けの撮影賞がまだ存在していないため、「スタア誕生」が撮影賞の代わりとして、アカデミー名誉賞を受賞しています。
第11回は「グレート・ワルツ」です。この作品は「助演女優賞」「編集賞」にもノミネートされています。
また、カラー映画の「Sweethearts」撮影賞の代わりとしてアカデミー名誉賞を受賞しています。この作品は「音楽賞」と「録音賞」にノミネートされています。
第12回より白黒作品とカラー作品で撮影賞が分かれます。白黒作品には「嵐が丘」です。この作品は「作品賞」「監督賞」「脚色賞」「作曲賞」にもノミネートされており、個人ではヒースクリフ役のローレンス・オリヴィエが「主演男優賞」、イザベラ・リントン役のジェラルディン・フィッツジェラルドが「助演女優賞」にノミネートされています。
カラー映画の撮影賞は、「風と共に去りぬ」です。撮影賞の他には「作品賞」「監督賞」「脚色賞」「室内装置賞」「編集賞」「特別賞」を受賞しており、さらにスカーレット・オハラ役のヴィヴィアン・リーが「主演女優賞」、マミー役のハティ・マクダニエルが「助演女優賞」を受賞しているので、合計で9部門を独占しています。
第13回の白黒映画は「レベッカ」。この作品はアカデミー作品賞も受賞しています。作品賞で受賞したオスカー像はプロデューサーであるデヴィッド・O・セルズニック氏の手に渡り、監督であるアルフレッド・ヒッチコック氏が手に取ることはなかったとのことです。
カラー映画は「バグダッドの盗賊」。この作品は「特殊効果賞」も受賞しています。
第14回の白黒映画は「わが谷は緑なりき」です。撮影賞の他に、「作品賞」「監督賞」「美術賞」「室内装置賞」を受賞し、ギルム役のドナルド・クリスプが「助演男優賞」を受賞しています。
カラー映画は「血と砂」。美術監督賞にもノミネートされています。
第15回の白黒映画は「ミニヴァー夫人」です。この映画は第二次世界大戦に作られた映画でもあり、戦意高揚映画として作られています。このため、ドイツ人を徹底的に悪役として描いています。
カラー映画は「海の征服者」。特殊効果賞にもノミネートされています。
第16回の白黒映画は「聖処女」です。ベルナデッタ・スビルー役のジェニファー・ジョーンズが「主演女優賞」を受賞し、他にも「劇映画音楽賞」「室内装置賞」も受賞しています。さらにゴールデングローブ賞においても「作品賞」「監督賞」と、ジェニファー・ジョーンズが「主演女優賞」を受賞した評価の高い作品です。
カラー映画は「オペラの怪人」。撮影賞の他に「美術賞」も受賞しています。
第17回の白黒映画は「ローラ殺人事件」です。監督賞、美術監督賞、脚色賞、ウォルド・ライデッカー役のクリフトン・ウェッブが助演男優賞にノミネートされています。
カラー映画は「ウィルソン」。第28代アメリカ大統領ウッドロウ・ウィルソンを描いた作品です。
第18回の白黒映画は「ドリアン・グレイの肖像」です。美術監督賞、そしてシビル・ヴェイン役のアンジェラ・ランズベリーが助演女優賞にノミネートされています。
カラー映画は「哀愁の湖」。原題である「Leave Her to Heaven」はハムレットからの引用です。
第19回の白黒映画は「アンナとシャム王」です。「美術賞」も受賞しています。
カラー映画は「子鹿物語」。日本ではのちに「子鹿物語 THE YEARLING」としてアニメ化もされます。
第20回の白黒映画は「大いなる遺産」です。2011年2月には「タイム・アウト・ロンドン」が発表したイギリス映画のベスト100では25位にランクインしたことでも知られています。
カラー映画は「黒水仙 」。インド・ヒマラヤ山嶺を舞台としていますが、インドでの撮影は行われなかったとのこと。
第21回のカラー映画には「ジャンヌ・ダーク」が登場。ジャンヌ・ダルクをモチーフにした作品で、ジャンヌが19歳の若さで魔女として火刑に処せられるまでを描いています。
第26回には「シェーン」。「シェーン、シェーン、カムバック!」のセリフでも有名です。
第27回は「波止場」です。撮影賞の他に「作品賞」「監督賞」「脚本賞」「美術監督賞」「編集賞」を受賞し、さらにテリー役のマーロン・ブランドが「主演男優賞」、イディ役のエヴァ・マリー・セイントが「助演女優賞」を受賞しており、計8部門を独占しています。
第32回には「アンネの日記 」が登場。アンネ・フランクの著書「アンネの日記」で有名です。
第34回は「ウエスト・サイド物語」。撮影賞の他に「作品賞」「監督賞」「脚色賞」「編集賞」「美術賞」「衣装デザイン賞」「録音賞」を受賞し、ベルナルド役のジョージ・チャキリスが「助演男優賞」、アニタ役のリタ・モレノが「助演女優賞」に輝き、計10部門で受賞した作品です。
第40回には「俺たちに明日はない」が登場。この作品はアメリカン・ニューシネマの先駆的作品として知られています。
第47回は「タワーリング・インフェルノ」です。1970年代中盤期の「パニック映画」の中で最高傑作とも評価されています。
第50回は「未知との遭遇」です。スティーヴン・スピルバーグ氏の代表作でもあり、多くの人に影響を与えた作品です。
第66回は「シンドラーのリスト」が登場。ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーが1100人以上のユダヤ人を救った実話を描いた作品で、撮影賞以外に「作品賞」「監督賞」「脚色賞」「編集賞」「美術賞」「作曲賞」の7部門で受賞しました。
第70回は「タイタニック」です。1912年に起きたタイタニック号沈没事故を元にした作品で、撮影賞の他に「作品賞」「監督賞」「主題歌賞」「音楽賞」「衣装デザイン賞」「視覚効果賞」「音響効果賞」「音響賞」「編集賞」の11部門で受賞しました。
第82回には「アバター」が登場。世界興行収入が歴代1位となる約2518億円に到達しました。
第86回は、宇宙空間をリアルに描いた「ゼロ・グラビティ」です。演技、演出、脚本、映像などあらゆる面で高く評価されています。
第89回に受賞したのは「ラ・ラ・ランド」です。アカデミー賞のみならず、ゴールデングローブ賞で7部門、イギリスアカデミー賞で5部門など数多くの賞を受賞しています。
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