毎秒1テラビット(1000Gbps)という超高速なインターネットを人工衛星で可能にする計画
by NOAA Photo Library
世界中のあらゆる場所でインターネットを使えるようにするため、現在、ドローンや気球などによるWi-Fiの提供を計画している企業が増えてきています。ViaSatもその1つで、ボーイングと協力して、現在の人工衛星から提供されているキャパシティの2倍にあたるインターネットを可能にする人工衛星の製造に着手しています。
ViaSat Unveils First Global Broadband Communications Platform to Deliver Affordable, High-Speed Internet Connectivity and Video Streaming to All (NASDAQ:VSAT)
http://investors.viasat.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=954123
Terabit satellites to supercharge remote internet access
http://www.engadget.com/2016/02/10/viasat-boeing-satellite-internet/
Googleは長時間航空滞在可能なドローン会社を買収して世界中のどんな地域にでもインターネットを届ける試みを行っており、気球を使ったWi-Fiの提供や、人工衛星を使って地球上のあらゆる地域の人々にネット環境を提供する計画も進めています。
Googleが180個の人工衛星を使って全世界のどこでもネットを可能に - GIGAZINE
Facebookも2016年中に人工衛星を打ち上げる計画中で、人工衛星によるWi-Fiの提供が地球上でのインターネット環境を大きく進歩させるとして注目されています。
アメリカでは商業衛星の打ち上げ数に制限があり、人工衛星によるWi-Fi提供の障害の1つになっていますが、アメリカ通信会社のViaSatはこの制限が変更されると考えているようで、ViaSatはボーイングと協力して3つの人工衛星を製造中とのこと。現在、地球の衛星軌道上にはおよそ400個の商業衛星が存在していますが、3つの衛星が打ち上げられれば、現在提供されているWi-Fiの2倍のネットワークを提供できることになります。
ViaSatはデザインと製造を、ボーイングは衛星バス関連のプラットフォームを担当しており、2019年には2社の技術が統合される予定。既にViaSat-3という人工衛星の3つのうち2つは着手されており、これらは1Tbps(1000Gbps)という通信速度のキャパシティを持っています。ViaSat-3のうち1機・2機目はアメリカ・ヨーロッパ・中東・アフリカのインターネットをカバーし、3機目はアジア圏をカバーする予定です。
ViaSat-3は地上の建物の中にいる人に対して100Mbps以上のインターネットを提供し、太平洋の上を移動している航空機に対しては数百Mbps、海上にあるオイルやガスのプラットフォームに対しては1Gbpsのインターネット環境を提供する予定で、理論的には地上のどこにいても4K解像度のムービーをストリーミングすることができるようになります。
また、南米ではインターネット回線が確立していないため、「人力インターネット」が普及していますが、このような環境の人々でも快適にインターネットが行えるようになるとのことです。
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