取材

正統派スポーツコンセプトモデル「Sports Ride Concept」などヤマハのブースは4輪と2輪への意気込みが感じられる展示内容でした


2015年10月30日(金)から一般公開が始まる東京モーターショー2015のヤマハブースでは、ワールドプレミアとして4輪スポーツカーの「Sports Ride Concept」などの意欲的なモデルが発表されました。

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今回のヤマハブースで最注目株といえるのが、ステージ中央に置かれたコンセプトモデル「Sports Ride Concept」。スポーツカーの正統派といえるフォルムを持つスポーツカーで、ヤマハらしさを感じさせる要素を盛り込んだモデルとのこと。


横から見ると前後長が短めのフォルムとなっています。ボディサイズは全長3900mm×全幅1720mm×全高1,170mmというコンパクトさで、「ドライバーとマシンの関係を二輪車のように」というヤマハ・柳社長が語るコンセプトが反映されたものと言えそう。車重は750kgと発表されています。


ボリューム感のある造型のテール部分。マフラーはセンター上部に2本出しとなっていますが、これはコンセプトモデルならではのデザインかも。搭載されるエンジンは、1.0リッター3気筒エンジンであることが発表されています。


ある意味でヤマハらしいのが、このディスクローターの形状。2輪車で見かけることが多い円周部が波形になってるローターを搭載しています。


インテリアにはレザーが施されていますが、基本的なレイアウトはピュアスポーツカーそのもの。少し高めのサイドシルやセンタートンネルのないフラットなフロアパネルなど、その特徴はロータス・エリーゼと共通するものを感じさせます。シフトレバーが見当たらないので、セミATのようなトランスミッションが想定されているのかもしれません。


サイドシルが太く設定されているためか、ドアの厚みもかなりのもの。ドアの内張が大きくえぐり取られた造型になっています。


のぞき込んでみたところ、ペダルはアクセルとブレーキだけの2ペダル仕様となっている模様。ペダルとシートの高さがほぼ同じで、まるでレーシングカーのようなドライビングポジション。


カーボンとレザーが多用されるインテリア。とにかく「これぞ近年の王道」ともいえるオーソドックスなデザインに仕立てられているあたりがクルマ好きの心をくすぐってきます。


このクルマの骨格となるのが、「iStream」と呼ばれるコンセプトに基づいてデザインされたパイプフレームとカーボンファイバーパネルを接着で組み合わせたフレーム。


このように、太いフレームとコンポジット素材を接着で結合することで、軽量さと高剛性を両立するという考え方。


iStreamは、伝説のF1マシンデザイナーとも呼ばれるゴードン・マーレー氏が率いる「ゴードン・マーレーデザイン」社が提唱するフレーム思想で、その源流はF1マシンにも通じるところがあるもの。


ゴードン・マーレー氏とヤマハのコラボレーションは2013年の東京モーターショーで発表された2人乗り乗用車「MOTIV」でも実現しており、今回の車両はそれをさらに発展させたものです。


特徴的な顔つきや、インテリアの様子など。


このモデルはあくまで「デザインコンセプト」であり、これからさまざまな仕様やデザインが進められることになる模様。このように、ヤマハは4輪業界へ参入する姿勢を鮮明にしており、今後どこかのタイミングで市販車が登場する可能性は濃厚といえそうです。


ちなみに、「MOTIV」は現在、市販化に向けた走行実験を進めているとのこと。2013年のモーターショーでは「2015年にも市販化を」とされていたMOTIVですが、開発は継続されている模様です。

ヤマハの2人乗り乗用車「MOTIV」は元F1デザイナー共同開発の意欲的なクルマ - GIGAZINE


この他、ヤマハのブースでは電動モーターサイクルのコンセプトモデル「PES2」や……


オフロードタイプの「PED2」を展示。


また、電動自転車の雄であるヤマハがついに登場させる電動アシスト機能つきロードバイク「YPJ-R」やマウンテンバイク「YPJ-MTB Concept」も展示。「YPJ-R」は2015年12月に市販化されるモデルです。


YPJ-Rはフレームのダウンチューブ(三角形の下部)にバッテリーをマウントし、ペダル一体型の電動ユニットに内蔵されたブラシレスDCモーター(240W)でペダリングをアシストするというバイク。力強い発進・加速・登坂能力を発揮するようにチューニングされているとのことで、アシスト機能は時速24kmに達した時点でカットされるようになっていますが、その切り替わりのタイミングが全く感じられないほど自然なフィーリングが実現されているようです。


バッテリーはリチウムイオンタイプを搭載。使用状況にもよりますが、1度の充電で数十キロのライドが可能になるとのこと。加減速を繰り返すとバッテリーが減っていきますが、時速24km以上で巡航するような乗り方をする場合には、モーターのアシストがカットされるのでほとんどバッテリーを消費しない乗り方も可能とのこと。


コンポーネント関連(シフト関連)は、ロードバイクの定番といえるシマノ・105シリーズを採用。車重は15.4kgとなっているとのこと。いわゆるガチのロードバイク乗りの中には眉をひそめる人もいるようですが、このバイクはフォルムこそロードバイクであるものの、そのコンセプトは全く別物とのこと。初心者や女性ライダー、それに自転車再デビューの人など、自転車ライフを楽しく気軽に味わいたいに向けたものとなっているようです。


YPJ-MTB Conceptは、400Whの大容量バッテリーを搭載し、ハンドル部分には多機能メーターを装備するモデル。


ヤマハらしさの感じられるデザインのフレームに、ロードタイプのYPJ-Rよりも大きなバッテリーが搭載されていました。


電動ユニットは、こちらもクランク一体型を搭載。


コンポーネント関連は、シマノ・DEORE XTとFSAのクランクでまとめられているようです。


ブレーキは前後とも油圧式ディスクブレーキを装備。


そしてこのヤマハのピュアスポーツモデル「YZF-R1M」に跨がるのは、なんとバイクを操縦できるヒト型自律ライディングロボットの「MOTOBOT」。バイクそのものには改造を加えることなくMOTOBOTが自分で走らせることが可能で、時速200kmを越えるサーキット走行の実現を目指して開発が進められているとのこと。


低く伏せたフォームは人間と同じ。


胴体部分には、制御用の装置がギッシリと詰め込まれています。


まるで実際のヒトが乗っているような見た目。アクセルやブレーキ、体重移動までをも自律的にこなすロボットになるそうです。


ヤマハブースの正面では、バレンティノ・ロッシ選手がモトGPを戦った実際のマシンも展示されています。


展示されているだけでなく、実際にロッシがGPを戦ったマシンに跨がることができるので、バイク好きは訪れておく必要アリといえそうです。


ブースの一角では、ヤマハが北米で販売している「YXZ1000R」を展示。この車両はROV(レクリエーショナル・オフハイウェイ・ヴィークル)と呼ばれるジャンルの乗り物で、中でもこのYXZ1000Rは、だだっ広い荒野に持ち込んでアクセル全開でスポーツ走行を楽しむという、ROVにおけるピュアスポーツモデル。昨年展示されていた「VYKING」よりも格段にスポーツ性を高めたマシンだそうです。


フロントのサスペンションは、カウルを貫通しています。ドライバー目線から見ると、走行中には車体の動きに合わせてサスが小刻みに動く様子が目に入ることで「人馬一体感」をよく感じることができるとのこと。


コクピット周りはごく一般的な自動車と同じ方法論でデザインされています。


ペダルは、アクセル・ブレーキ・クラッチがならぶABCレイアウト。


シフトはレバーの押し引きでギヤをチェンジするシーケンシャルタイプで、奥から「R・1・N・2・3・4・5」と並ぶ後1/前5段式となっています。その手前にあるスイッチは4駆/2駆切り替えスイッチと、ライト関連のスイッチ。


ハンドルとメーター周りはこんな感じ。


エンジンは新開発の水冷3気筒998ccエンジンを搭載し、最高速度はオフロードでも時速100kmに軽々達するとのこと。日本では乗るチャンスがほとんどないので導入されていないとのことですが、機会があれば1度は乗ってみたいモデルです。


このほかにもヤマハのブースでは2輪関連のモデルが多く展示されていたので、4輪・2輪両方のファンに楽しめるブースとなっていました。

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in 取材,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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