ビル・ゲイツが語る「オンライン授業が教育に革命的変化をもたらす可能性」とは?
自ら創設したビル&メリンダ・ゲイツ財団で避妊チップや次世代コンドームといった研究プロジェクトに出資し、アメリカ国内で教育やIT技術に接する機会を提供する活動を支援しているビル・ゲイツ氏。そのゲイツ氏がインタビューでオンライン教育における自らの展望を語っており、近い将来に教育を大きく進歩させることができると独自の考えを明らかにしています。
Bill Gates: how online courses can radically improve education by 2030 - YouTube
ゲイツ氏が意味するオンライン授業とは、インターネットに接続するだけで各分野で活躍する教師に授業を教えてもらったり、質問をできたりするインタラクティブなサービスのこと。
授業を録画してインターネットに配信するサービスは15年も前からすでに登場していますが、録画された授業は、先生と生徒が質問したり、会話をしたりといったインタラクティブな内容ではありませんでした。
2015年現在でもインタラクティブなオンライン授業は実現されていませんが、ゲイツ氏は「2030年までには教師と生徒が会話できるオンライン授業のサービスが開始されるかもしれない」と言います。
インタラクティブなオンライン授業をスマートフォンやタブレットといったモバイル端末に配信することで、誰しもが時間や場所を気にすることなく授業を受けられるというメリットが生まれます。
また、ゲイツ氏は「オンライン授業が成功するには男女の性別による格差を狭める必要がある」と主張。
男女の性別による格差とは携帯電話およびスマートフォンの所有率です。アメリカではスマートフォンや携帯電話を持っている女性の数は男性より24%低いことが判明しており……
アジアにおいては37%も低くなっていて、ゲイツ氏は「こういった男性と女性との間にある差がなくならないと、オンライン授業が男女間にさらなる差を生み出してしまう可能性がある」と注意喚起しました。
2000年から15年間でアメリカにおける教育は大きく進歩しました。ただし、博士学位にあたるPh.Dの生徒数では男女間に大きな差があるのが現状です。当然、アメリカ以外では男女平等の教育を実施しない国もあり、そこには文化的背景が存在するのも事実。そういった教育における男女間の格差を埋めるのに、オンライン教育が必要になる、とゲイツ氏は説いているわけです。
「平等な教育を全ての子どもに届けられるオンライン教育は世界を変える大きな可能性を秘めている」と語るゲイツ氏は2030年までにオンライン教育が理想的なレベルに達すると予想しており、オンライン教育が世界を変える大きなツールとなり得るのか、大きな期待がかかります。
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