プログラミングなどコンピューターサイエンスを必修科目に取り入れた高校が登場
By Foomandoonian
日本の高等学校では一般的に国数英理社などの基本5教科、もしくは農業や工業などの専門教科を中心に学べますが、プログラミングやコンピューターグラフィックスなどコンピューターサイエンスに関する教科を取り入れている学校は一部の高等専門学校などを除いて少ないようです。アメリカ・シカゴの公立学校協会は、市内における全ての高等学校でコンピューターサイエンスを必修科目に取り入れることを決定しており、若い世代のITスキルの促進に力を入れています。
CPS to make computer science a core subject - Chicago Sun-Times
http://www.suntimes.com/news/education/24270552-418/cps-to-make-computer-science-a-core-subject.html
シカゴ公立学校協会が発表した内容によると、3年以内にシカゴ市内の全ての高等学校が基礎コンピューターサイエンスコースを設け、5年以内には幼稚園にも設置する予定であるとのこと。学校協会の会長は「科学や技術などの教科を中心に組まれたSTEM教育プログラムの中でも、コンピューターサイエンスは急速に成長している学科です。アメリカ国内におけるコンピューターサイエンス関連の仕事の需要が高まると予測されており、同学科に著しい発展が期待されています」と今回の決定の理由を説明。
By Loughborough University Library
シカゴ市長のRahm Emanuel氏は「アメリカの子どもたちのテクノロジーに対するスキルを向上することが、アメリカの教育を現代的に改革していくための大きな一歩になる」とシカゴ公立学校協会の決定に賛成しています。また、決定に関してオバマ大統領が祝福のメッセージを送っており、「多くの人が英語だけではなく中国語やスペイン語を勉強し始めていますが、新しい言語としてコードも学んで欲しい」と書かれていました。
オバマ大統領は「PCやITに関する技術を学ぶことは学生だけでなく、我が国の未来にとって大変重要です。生まれつきITのスペシャリストである人間はいませんが、誰しもが勉強すればスペシャリストになるチャンスがあるのです」と以前からIT分野における教育に前向きな姿勢を示していました。
By Justin Sloan
アメリカが高等教育の必修科目にコンピューターサイエンスを取り入れた最初の国というわけではなく、イギリスや中国はすでにコンピューターサイエンスを小学校の教育に取り組んでおり、今回はアメリカがそれに追随した形です。
ただし、コンピューターサイエンスを全ての高校に導入するには多くの設備が必要で、設備設置にかかる費用を懸念する声も挙がっています。シカゴ市には、図書館の設立されていない高等学校が100校以上あり、費用の問題に今後どうやって取り組むのか注目が集まっています。
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