レビュー

カラフルな細胞・病原菌のプレパラートを単語帳っぽくまとめた「生物学者のプレパラートシール帳」


植物組織・病原菌・人体組織などさまざまな生き物や細胞をプレパラートに載せて顕微鏡で見ているような気分になれるのが「生物学者のプレパラートシール帳」です。理科の実験などでおなじみのプレパラートなどもあり、知的好奇心が満たされるだけでなく見た目の美しさも楽しめるシール帳になっているのですが、「人体模型ストラップ」と一緒にゲットできたので、どんな感じなのか、しげしげ見てみました。

ネイチャーテクニカラー公式ホームページ / SCIENCE TECHNI COLOUR / 生物学者のプレパラートシール帳
http://naturetechnicolour.com/science_2/

全部まとめてゲットしたのでこんな感じ。


生物学者のプレパラートシール帳は全部で8種類。


それぞれのセットにはちゃんと各生物・細胞の説明書がついています。


シールの大きさは26mm×76mmで、本物のプレパラートと同じサイズ。まずは「(1)植物組織」から見てみます。


「師管(カボチャの茎)縦断」「表皮細胞(タマネギ)」「根の横断(単子葉)ネギ」「裸子植物(マツ)横断」「師管(カボチャの茎)横断」「単子葉茎横断」「網紋道管」「階紋道管」「ソラマメの根の成長点」「ユリ横断」の10種類がセットになっていました。


例えばユリ横断はこんな感じ。プレパラートの左上には「ユリ横断」と書いてあります。


プレパラートシール帳を横から見るとこれくらいの分厚さ。


裸子植物(マツ)横断


表皮細胞(タマネギ)


虹のような階紋道管


水の通り道になる道管の細胞壁にはさまざまな形状があり、網紋になっているものを網紋道管と呼びます。


単子葉類であるネギの根っこはこんな感じです。


次は、「(2)花粉・菌・でんぷん」のセット。


「風媒花粉(マツ)」「虫媒花粉(カボチャ)」「花粉(アサガオ)」「花粉の減数分裂(ユリ)」「花粉管(チャ)」「麹カビ」「麹カビ」「アオカビ」「シダの胞子」「ジャガイモの貯蔵でんぷん」


オレンジ色のものが「虫媒花粉(カボチャ)」で、紫色のものが「花粉(アサガオ)」。どちらも丸っこくて水玉模様っぽい感じ。


花火のような麹カビ。


ジャガイモの貯蔵でんぷん。


花粉症の原因になる、マツの花粉は以下のような形状となっています。


次は「(3)微生物・プラナリア」のシリーズ。


「アメーバ」2種類、「カニの幼生(ゾエア)」「ゾウリムシ」「アオミドロ(接合)」「ケイソウ(淡水)」2種類、「回虫横断(メス)」2種類、「プラナリア」の10種類がセットになっています。


分裂によって増殖するアメーバは見た目の違う2種類が含まれていました。


カニの幼生(ゾエア)


以下は切ったら切っただけ増殖するプラナリアのプレパラート。


アオミドロは糸状の体を細い管で接合し、細胞が合体して接合子ができます。接合子が残った方がメス、無くなった方がオスとなるとのこと。


ヒトを始めとして多くの哺乳類の小腸に寄生するのが回虫。雌雄が分かれており、メスの方が大きいとされています。


「(4)動物組織・ウニの発生」


「脊髄(ウシ)銀染色」「ニューロン(ウシ)」「すい臓(ウサギ)ミトコンドリア」「小脳(ネコ)」「大脳神経細胞(ネコ)」「コルチ器官(蝸牛断面)ラット」「ウニの発生I」「ウニの発生II」「ウニの発生III」「ウニの発生IV」


上がウサギのすい臓、下がネコの小脳。すい臓は脊椎動物が持つ臓器で、さまざまな消化酵素を十二指腸に分泌する働きを持ちます。幾重にも折りたたまれたヒダ状の脳組織を持つ小脳は運動機能をつかさどる場所。


ネコの大脳神経細胞は以下のような感じ。


理科の教科書によく登場する「ウニの発生」のうち、これは消化管が完成したプルテウス幼生。


「(5)病原菌」では、病気を引き起こすさまざまな菌がよく分かるようになっています。


「結核菌」「破傷風菌」「淋菌」「ジフテリア菌」「ボツリヌス菌」「コレラ菌」「腸炎ビブリオ菌」「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」「肺炎桿菌」「百日咳菌」の10種類があります。


長さ3~6ミクロンほどの破傷風菌は動物の腸内に多く、傷口から感染するもの。


淋菌は0.6~1.0ミクロンほどの球形で、細菌が2個ずつ対になってつながっています。


メチシリン耐性黄色ブドウ球菌は人や動物の皮膚や腸内にいるブドウ球菌の1つで、免疫力が下がると感染するものです。


「(6)病理組織」では、体の組織が病変するとどうなるのかが分かります。


これは「悪性リンパ腫」「胃がん」「肝硬変症」「慢性胆のう炎」「食道がん」「平滑筋肉腫」「胃潰瘍」「卵巣がん」「肝臓がん」「肺がん」のセット。


ちょっとバラの花っぽくもある悪性リンパ腫は、リンパ組織の悪性腫瘍の1つ。首・股の付け根・わきの下などのリンパ節が肥大することが多いとのこと。


胃液によって粘膜を自己消化してしまい、部分的に胃の組織の欠損が起きた状態を胃潰瘍と呼びます。胃潰瘍になると組織は以下のような感じに。


以下はがんの中でも死亡率が高い、肺がんの組織。


「(7)人体組織I」


「血球」「頭皮」「血管MT.」「硬骨 横断」「小脳」「虫垂」「甲状腺」「口唇 縦断」「胃(噴門)」「肝臓MT.」の10種が1セットになっています。MTはマッソン・トリクローム染色を意味しています。


血液を体の各所に送るための通路となる管、血管MT.


硬骨は脊椎動物の硬骨魚類以上に見られる骨格を形成している組織で、横断するとギョロッとした目玉のようにも見えます。


首の前部、気管前面にある蝶形の臓器・甲状腺は「ろほう」という小さな袋が集まってできています。


最後は、「(8)人体組織II」。


これは「繊維軟骨」「骨髄」「大脳」「肺」「ヒトの染色体(男)」「リンパ節」「小腸(空腸)」「精巣上体」「皮膚 縦断」「ヒトの染色体(女)」のセット。


モヤッとしているのはコラーゲンを多く含んだ繊維軟骨。


体の中で最も長く、6mもあると言われる小腸のプレパラート。


体の表面を覆う皮膚を縦断してみるとこんな感じになりました。


いずれのプレパラートもシールになっているので、ペラっと剥がして好きな場所に貼り付けることが可能です。


生物学者のプレパラートシール帳 全8種セットはAmazonで販売されているのですが、現在は売り切れとなっています。

Amazon.co.jp: サイエンステクニカラー 生物学者のプレパラートシール帳 全8種セット 奇譚クラブ ガチャポン: ホビー



「人体模型ストラップ」の詳細は以下の記事から確認できます。

理科室にあるような人体模型の各パーツをストラップとして愛でられる「人体模型 ストラップI」 - GIGAZINE


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in レビュー,   サイエンス,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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