ザッカーバーグ氏の発言すべてをアーカイブする「Zuckerberg Files」の狙いとは？

同性愛者であることを家族より先にFacebookが知っていたり、Facebookを使っていない人の「シャドープロファイル(隠しアカウント)」が勝手に作成されているなど、ソーシャルメディアにまつわるプライバシー問題を目にすることが多くなりました。そんな中で、Facebookの創設者・CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏の発言をアーカイブするZuckerberg Filesがスタートしたのですが、その狙いはいったいどういうものなのでしょうか。

The Zuckerberg Files
http://zuckerbergfiles.org/

このZuckerberg Filesが開設された目的は「Facebookのようなソーシャルネットワーキングサービスの広がりによりオンライン上のプライバシーやシェアに対する倫理観の議論が起こっているなかで、Facebookの創始者・CEO(であるザッカーバーグ氏)が想定している企業の目的に対する理解を深め、ソーシャルメディアにまつわる議論を深めること(意訳)」と記されています。

実際にファイルがアーカイブされているのは、アメリカ・ウィスコンシン大学ミルウォーキー校が運営するUWM Digital Commonsです。

Zuckerberg Files | University of Wisconsin Milwaukee Research | UWM Digital Commons
http://dc.uwm.edu/zuckerberg_files/

このZuckerberg Filesには、ザッカーバーグ氏が公に対して行った発言やムービーがデジタルアーカイブされており、100件以上の各種報道メディアやブログでの発言やムービーを閲覧したりダウンロードすることが可能です。

すべてのコンテンツのソース元URLや日時が一緒に保存されており、研究の資料として活用することを想定したものになっています。

ソースのURLはハイパーリンク化されていないため、コピーしてブラウザに入力すると……

元となるソースが表示されます。

What most schools don't teach - Feat. Mark Zuckerberg, Bill Gates, Will I Am... - YouTube


ただし、実際にアーカイブされているファイルをダウンロードするためには登録が必要となっています。これは、コミュニケーションの学術研究におけるフェアユースの規定の趣旨に沿うもので、研究者が対象になっています。登録していない場合でも、元ソースを訪れることで参照することは可能です。

ザッカーバーグ氏は今でも最前線でFacebookを導いています。10年前とは比べものにならないぐらい変化したソーシャルネットワークの世界ですが、今後の進化を見定めるための参考になるかもしれません。