Intelの新CPU「Ivy Bridge」が高熱になる「ダブルグリスバーガー症候群」状態
インテルの最新CPU、開発コードネーム「Ivy Bridge」こと「第3世代インテルCore」シリーズの発売が4月29日に始まり、秋葉原では午前0時の販売開始を心待ちにするファンが行列を形成するなどの盛り上がりを見せました。
しかしこのIvy Bridgeにはコストダウンのために使用している素材を変更したことで熱伝導効率が下がり、CPUが高熱になる問題が発覚しており、その形から「ダブルグリスバーガー」と呼ばれる悲劇になっています。
インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー - スマートなプロセッサー
開発コードネーム「Sandy Bridge」こと「第2世代インテルCore」シリーズが登場したのは2011年1月のこと。そのモデルチェンジとして開発されてきたのがコードネーム「Ivy Bridge」です。2012年4月24日に「第3世代インテルCore」シリーズ群として正式発表、4月29日から全国で発売がスタートとなりました。
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Ivy BridgeはSandy Bridgeと比べ、プロセスルールが32nm(ナノメートル)から22nmへと微細化したことで消費電力を低減し、発熱量も減少したというのが最大の特徴。統合GPUも大幅に強化され、パフォーマンスは最大でSandy Bridgeの2倍になるなど、自作PCユーザーを中心に話題となっていました。
しかし、サンプルを事前に手にしたレビュアーから、発熱は予想よりも多いのではないかという指摘があり、実際にヒートスプレッダを剥がす「殻割り」を行って中身を確認したところ、コアとヒートスプレッダとの間の熱伝導素材にTIMペースト(熱伝導グリス)が使用されていることがわかりました。
Ivy Bridge Temperatures – It’s Gettin’ Hot in Here | Overclockers
ぱきょっとヒートスプレッダを剥がしたところ、TIMペーストがべったり。ちなみに熱伝導素材としてTIMペーストが使われること自体はおかしくないのですが、今回のケースでは使用されているTIMペーストが熱伝導率5W/mK程度の品だったということ。
Sandy Bridgeの場合はヒートスプレッダの接合にFluxless solderer(はんだ)を用いており、その熱伝導率は80W/mKほどでした。Ivy Bridgeでは発熱量が減少しているとはいえ、それ以上に熱伝導率が下がってしまっているというわけです。また、この熱伝導素材のせいだけではなく、これまでとは熱関連技術で変更があったとのことで、このあたりが高い発熱の原因ではないかとみられています。
ちょっとPCに詳しい人であればHDDやメモリの増設を自分でやったりもしますが、今回のケースでの「殻割り」は難易度が高め。そもそもIvy Bridgeのような新たにCPUを発売直後に購入するような層はオーバークロックしているような人が多い中でも、軽く「じゃあ殻割りしてなんとかしよう」とは言えないレベル。
こちらが「殻割り」しているムービーですが、ごついナイフを使っていてあまりスマートな手段ではないとの指摘が行われています。
Intel Ivy Bridge 3570K IHS removal - YouTube
上手な人はカミソリの刃などを使ってやるようですが、破損のリスクが高いためやめておいた方がいいとの注意が。
殻割 - 大箸の画像掲示板
このIvy Bridgeの構造を揶揄するかのように、「ダブルグリスバーガー」のアスキーアートも作られています。
IvyBridge発売キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
Ivy Bridgeを使えばSandy Bridgeと比べて性能が3倍になるというのであれば悩むところですが、そこまでの差がつくわけでもなく……。
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