取材

オムレツスパゲッティ、ブッシュミート、キャッサバ、焼き魚……カメルーンの食は豊かで美味しすぎました


こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。カメルーンではこれまでと違った食べ物をたくさん見かけました。ジャガイモなんて久し振りです。バナナはおやつに入りません。焼き魚で日本を思い出し、でもブッシュミートは間違いなくアフリカですから。アルコールも豊富ですから好きな人にはたまらない所でしょう。

今回はカメルーンの食事情から、首都Yaoundeの滞在を含めて、ガボンに抜けるまでの旅をまとめました。カメルーンの食は満足ですが、旅は理不尽なことばかりで大変でした。

カメルーンの首都ヤウンデはこの辺り

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カメルーンは食の豊かな国です。そんなカメルーンのファストフードは「オムレツスパゲティ」。溶かした卵にスパゲッティを入れて焼き上げます。


トマトが入っていると更に良し。パンと一緒に食べたり、ときにはサンドイッチとしてでも食べることができます。


肉のない肉ジャガですが侮れません。ここまでのサハラ以南のアフリカでジャガイモはカメルーンでしか見ていませんから。これは、ジャガイモが冷涼な気候を好むのが原因で、1000mを超える高原を持つカメルーンは栽培に適しているのでしょう。だからこそ、久し振りに食べるジャガイモ料理はとても美味しかったです。


キャッサバはまたの名をマニオクという、熱帯地方で栽培される芋です。ピーナッツペースト甘いソースと一緒に頂きました。


「バナナはおやつに入りますか?」という定型句に「カメルーンなら主食です」と返せる、甘くないバナナが登場しました。味はまるでふかした芋のようです。ソースと一緒に食べます。


見た目は完全にバナナですが「バナナが欲しい」と頼んでも相手にされませんでした。ちゃんと「プランティ」と呼ばないといけません。


相変わらず米も食べることができますよ。これは魚のぶっかけ飯。


黒いスープに魚が入ってます。「Bongo-Tcaobi」という料理だそうです。


鶏肉のぶっかけ飯。


牛肉のぶっかけ飯。カメルーンのぶっかけ飯はご飯が多いのが特徴です。それはまるで、日本昔ばなしに出てくる大盛り茶碗のようです。「こんなの食べきれるか」と言いながらもしっかり食べました。


カメルーンでは焼き魚を食べることができました。おばちゃんが路上で炭火と網で焼いています。


焼きたての魚を箸でつまんで食べると日本を思い出します。幸せでした。


バトンと呼ばれる、こねたマニオク粉を練った食べ物。これもカメルーンの人たちの主食の一つです。甘くないちまきを想像していただくと分りやすいです。


串焼き肉だったり、鶏肉だったり。


首都Yaoundeに向かう道の途中でブッシュミートを食べました。


鶏肉みたいな淡白な味でいけます。


ところで、これは何の肉なんでしょう?フランス語でエディソン、英語でコーチングラスと教えてくれましたが……。


カメルーンはビールやワインとアルコールが豊富な国です。街のそこら中にバーがあり、男性ばかりだけでなく、女性の片手にもビール瓶がありました。「Pilsner Beer」はカメルーンブランドのビールです。


「Castel Beer」


「Mittzig Beer」


「AMSTEL Beer」はオランダの誇るビールブランド。


「Beanfort Beer」


Brasseries du Cameroun という会社が「33Export」「Beaufort」「Castel」「Tuborg」「Amstel」「Heineken」「Mutzig」と多数のビールブランドを販売しています。たくさんのビールブランドをまさか一社で販売しているとは思いませんでした。この会社はコーラでも「トップ」というローカルのソフトドリンクも販売しています。なんとカメルーン国内のビールとソフトドリンクのシェア75%を握っているそうです。

袋に入ったラムやらジンもみかけました。50mlでアルコールの度数は40度を越えます。これで100セーファー(約17円)。


パームやしから作った天然のお酒です。おばちゃんがペットボトルに入れて売っています。コップ一杯で50セーファー(約8.5円)。


嬉しいことにカメルーンではどこでも甘い甘いソフトクリームが食べられました。


まろやかさが足りないのは残念ですが、100セーファー(約17円)ですから贅沢も言ってられません。


三つに分かれた変な盛り付け方をしてくれました。


ソフトクリームマシーンさえ手に入れば、どこでも商売できるわけです。これも西アフリカから南下してくるとモロッコに次いで一人当たりの所得が高いカメルーンだからできることでしょう。あとは電力が安定していることも大切です。


カメルーンにはカメルーンブランドのチョコレートがありました。口に入れるととろける本物のチョコレートです。これで125セーファー(約21円)。


カメルーンでよくみかけた豆乳飲料は250セーファー(約42円)。


カメルーンの首都Yaoundeでは補給の心配な中部アフリカに向けて、自転車の部品を揃えてました。街中を疾走していた地元のサイクリストを捕まえて、Yaounde一番のサイクルショップを案内してもらいました。

力を入れすぎてボルトを破損してしまい、ねじ穴にボルトが残ってしまいました。このねじ穴に別の金属を流し込んで、棒と残ったボルトを溶接して冷やします。そうすると棒と残ったボルトがひっつき、回すとねじ穴を壊すこともなくボルトが抜けました。画期的な方法に感心しっぱなしでした。


ボトムブランケットにガタが出ていたので交換してもらいました。このパーツの交換には、特殊な溝にあった特別なスパナが必要です。ヨーロッパなら問題ないですがここはアフリカ。でも、ここのサイクルショップはこのスパナを持っていて、交換できました。


こちらが古いボトムブランケットのパーツ。ベアリングと密着されていているはずのシールド部分に、隙間が生じてクランク軸が左右に揺れる状態で困っていました。このボトムブランケットをアフリカで交換できるとは思っていなかったので、非常に助かりました。


フロントタイヤのサイドウォールが裂けて縫っている状態なので新しいタイヤも手に入れました。CSTがそれなりのブランドであって欲しいと願うのですが。超重量の旅行用自転車に下手なタイヤを履かせると500kmも走らないうちにタイヤがすり減ってチューブが破裂します。だからこそ、タイヤ選びには慎重にならないといけません。もう一つ中古ですがヨーロッパ製のタイヤを手に入れました。これで補給が可能な南部アフリカまで持って欲しいです。


こちらがパーツを交換してくれたメカニック。


Yaounde一番のサイクルショップはあくせくと自転車をいじっていました。カメルーンで自転車にトラブルを抱えていたら、ここに来れば何とかなるかもしれません。


フランス系スーパーに隣接するYaoundeのスポーツショップではチェーンとチューブも手に入れました。


Yaoundeではカナダ系フランス人男性と現地女性の家庭にお世話になりました。

そこでは水道が止まっている状態だったので、近所で水を購入してタンクに貯めていました。Yaoundeの水状況は悪いです。


滞在中には何度かスコールが降りました。この雨水を利用するために、水桶やたらいがスタンバイされます。


すぐに雨が降り出しました。


屋根に降る雨水が雨どいを通して集められていきます。


それにしても、すごい勢いです。


全部の桶やたらいが満杯になりました。この雨水は掃除や洗濯に利用されます。


雨の後にはYaounde市街に虹がかかりました。


お世話になったお宅では3人のやんちゃ盛りの子どもたちがいました。

自転車によじ登って遊ぶ。


サドルの上がお気に入りみたいです。


いたずらばかりしています。


元気いっぱいの末っ子。


この子どもたちは可愛い子たちでした。何も知らない彼らの目は、曇りのないガラスのように透き通っていました。特に2歳に満たない末っ子は、他人の自分にさえ信じられない笑顔を見せてくれるのです。いつも全力で動き回ります。そんな様子は「生まれてきて幸せだ」と喜んでいるみたいでした。そんな可愛い子どもたちに恵まれた夫妻はとても幸せそうで「子どもたちは人生を変えてくれる」と話してくれました。旅ばかりして不安だけれども、自分もいつしか家庭を築きたいです。

Yaoundeからは南に進んでガボンを目指します。

2500セーファー(約420円)のボロ宿に泊まっていました。これほど安いのは稀ですが、それでも5000セーファー(約840円)出せば安宿がみつかりました。カメルーンは安宿が豊富で助かりました。


カメルーン南部のEbolowaの街にある湖。


Ebolowaのマーケットがあって賑わっている通り。


カメルーン滞在は一か月と長くなりました。そのカメルーン滞在は理不尽なことばかりで大変でした。

小さな街で、宿に入ったはいいのですが、部屋の蛍光灯がチカチカして夜を過ごせそうではありません。そのことを宿のおばちゃんに言うと、「あんた、先に部屋を確認したでしょ」と逆ギレされました。一瞬、何を言われたのか耳を疑いましたよ。彼女は怒っているんですから。確かに電気を確認しましたが、今チカチカしている蛍光灯はあなたのホテルの部屋です。無茶を押し通そうとする彼女に、「ふざけるな」とまくし立て、「だったら警察に行くからな、さっさと取り替えろ」と無理やり新品の蛍光灯に交換させました。長い旅をして来た中でこんな事は初めてで、非常に不愉快でした。


またホテルで驚いたことといえば、「ちょっとビール飲みたい」と従業員にたかられたことです。これまでも商店や食堂とかで見知らぬ人にたかられることはありました。もちろん、無視しますが。ですが、これからお世話になるところで、こんなことを言われるなんて耳を疑いました。カメルーンでは常識が通用しないことが多かったです。

ネットカフェに入れば、母に付き添われた娘がキーボードで何かタイプしています。そのキーボードが膝元にあり、椅子が邪魔して後ろが通れません。通るたびに彼女は席を経ちます。その度に「シノワ(編注:「chinois」はフランス語で「中国人」の意)」とぐちっと言うので、「あのな、こうやって机の上にキーボードを置いて、椅子を引けば誰でも通れるだろう」と丁寧に説明してあげました。それでも直しはしませんでしたが。親子揃って人の迷惑を顧みない、呆れる人たちがそこにはいました。

食堂で飯を頼めば、お釣りがないのか面倒なのか、最後に金額を誤魔化します。「いやー、おかしい」と感じたので、周りの客に「ちょっと聞いてくれ、きちんとお釣りを計算してくれないんだ」と話をふって、客を交えてきちんと計算をしなおして、正しい金額のお釣りをもらいました。こんなこともアフリカではカメルーンでしか経験していません。

カメルーンで道を歩いていると、「シノワ、ヒーホン(編注:ニーハオの現地訛り)」と東洋人を馬鹿にするいつものアフリカ人がそこにはいました。その中でもカメルーンは輪をかけて酷かったです。何がおかしいのかいつもにやにやしている彼らの態度が不思議で仕方ありません。とあるスーパーの女性店員たちは自分が通るといつもくすくすざわついています。呆れて「シェフ(ボス)と話したい」と言うと、イギリスに滞在経験のあるきちんとしたカメルーン人男性がでてきました。「なぜ彼女達はいつもにやにやしているのか」「なぜ笑いながらニーハオと声をかけるのか」とふった後、「あなたたちは東洋人が嫌いなんだろ、だから差別するんでしょうが」と畳み掛けました。白人には同じ態度ではないのは明らかです。彼は「そんな事はない」と言いながらも、女性たちを並べて説明していました。まるで子どもが怒られているようでした。

カメルーンにも優しい人たちはいます。ですが、旅で大切なのは優しくされる事より、不快にされない事です。今までに経験したことのない理不尽なことばかりが続いて、カメルーンは非常に疲れました。

走っていると道際に出てきた子どもたち。


走って追いかけてきた子どもたちを捕まえての一枚。前の写真の子どもたちもそうですが、日曜日はキリスト教の礼拝日なので、皆おめかしをしています。日曜日のきりっとした子どもたちは可愛すぎです。


「シノワー、ニーハオ、ヒーホン」と声をかけてきた学生たちに、「うるさいわ、写真撮らせろ」とお願いをしてカメラを構えると、キャーキャーとはしゃいでこんな風になりました。失礼だけど悪い奴らではないんですよ。


カメルーンをさらに南に進むと熱帯雨林が生い茂るガボンに入ります。赤道が待っていました。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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in 取材, Posted by logc_nt

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