超音速でゴルフボール大の鉛球が頭に当たるとどうなるのかを8万2000fpsのスローモーション映像で検証
さまざまなものを高性能のハイスピードカメラで撮影するYouTuberのThe Slow Mo Guysが、8万2000fpsという超高フレームレートで「装甲車や弾道ゼラチン製の頭部模型をゴルフボールや鉛球で撃ってみた様子」を撮影したムービーを公開しています。
Supersonic Golf Ball to the Forehead at 82,000 FPS - The Slow Mo Guys @KentuckyBallistics - YouTube
The Slow Mo Guysの前に置かれている巨大な銃は「パントガン」と呼ばれる散弾銃で、アヒルなどの水鳥の商業狩猟が可能だった時代に使われたもの。1度の射撃で大量の水鳥を撃ち落とすために作られており、口径は1.68インチ(約4.3cm)もあります。もちろん人が抱えて撃つものではなく、当時は船に固定して大砲のように発射していたとのこと。
ゴルフボールがちょうど散弾として装塡(そうてん)できる大きさということで、後ろにある装甲車に向かってゴルフボールをパントガンで撃ちます。
パントガンは木製のスライドに固定されています。
スライドに固定されているのは、発射時の反動を吸収するため。以下は発射直後の様子。
パントガンが衝撃の反動でおよそ1mほど後ろに下がっていることがわかります。
発射直後の銃口部分を見ると、ものすごい速度でゴルフボールが打ち出されていることがわかります。
その直後、発射火薬の燃焼によるマズルフラッシュが画面を一瞬で覆い尽くします。
装甲車付近を8万2000fpsで撮影した映像。複数のゴルフボールが装甲車に向かって飛んでいきます。
ゴルフボールが装甲車に着弾。一瞬火花が映りました。
ゴルフボールは粉々に飛び散りますが、装甲が貫通している様子はありません。
着弾前後を比較すると、ゴルフボールが当たった衝撃で大きくへこんでいることがわかります。
当然ながら、ゴルフボールは外殻が破損し、内部の芯も砕けてしまっています。
その後、何度かゴルフボールを発射しましたが、装甲が貫通することはありませんでした。しかし、特殊警察が使っていた装甲車は見事なまでにベコベコに。
次に、ゴルフボールとほぼ同じ大きさの鉛の球。重さは1ポンド(約453.6g)です。
そして、頭部を模した弾道ゼラチンを用意。
弾道ゼラチンは装甲車よりもずっと小さく、散弾銃だと命中しない可能性もあるので、装甲車よりも近い位置にセット。弾道ゼラチンの背後にはドラム缶が2つ置かれています。
発射。硝煙で隠れてしまっていますが、弾道ゼラチンが見事に爆散しているのがわかります。
「どうなったかな?」と様子を見に行くThe Slow Mo Guys。飛び散っているのはすべて弾道ゼラチンの破片なのですが、弾道ゼラチンの内部に赤いパーツが使われていたため、かなりグロテスクな状態になっていた模様で、「YouTubeの規約的にやばいかも」という理由でボカシがかけられています。
背後にあったドラム缶のうち、手前にあった青いドラム缶は鉛球が貫通して大きな裂け目ができていました。
その後ろにある白いドラム缶にも貫通した痕跡があります。
パントガンを発射した直後の弾道ゼラチン。マズルフラッシュの光を反射して、顔の部分がオレンジ色に照らされています。
鉛球が着弾。頭部に当たった瞬間に火花が生まれています。
鉛球はそのまま頭がい骨を破壊。
内部でも衝撃が発生したためか、少しわかりづらいですが頭部の内側でも火花が発生しているのがわかります。
そして、鉛球が貫通。鉛球の速度は音速を超えるので衝撃波が発生しているため、頭部は衝撃波に沿って内側から破壊され、トランペットのような形に広がっています。
そして、衝撃波はそのまま頭部を完全に粉砕。
そのまま爆散しました。The Slow Mo Guysは「あまりにもすさまじい衝撃で、今まで見た中でも一番クールだった。いったいどれだけのエネルギーがあったのかはわからない」と満足げにコメントしています。
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