マイクロソフトの反Linux活動キャンペーン「GET THE FACTS」はまだ続いている
今回発見されたこのサイトは今まででおそらく最も露骨なマイクロソフトの作った反Linux活動サイトです。「GET THE FACTS」(真実に目を向けろ)と題されており、大ざっぱに訳すと「Linuxベースでは週に1度はシステムがクラッシュした。マイクロソフトのサーバに移行してからは実質的にサーバクラッシュは消え去り、サポートも得ることができた」というような感じで本当なのかどうかよくわからない主張が展開されています。一見すると第3者機関による公平な調査結果に見えますが、実際はそうではないようです。
ほかにもいろいろとすさまじいことが書いてあります。誠実な第3者機関による調査ではないという証拠などの詳細は以下。
Get the Facts Home
上記サイトはカナダ版ですが、ちゃんと日本語版もあります。
Get the Facts ホーム
このキャンペーン自体は本家で2004年1月から展開されていたのですが、まだやっていたとはオドロキです。日本では2004年2月から開始されています。
Windows(R)プラットフォームの理解促進キャンペーン「Get the Facts」の活動を開始
というか、マイクロソフトはLinuxが嫌いです。どう見ても商売敵であるため嫌いで当然なわけですが、ただ嫌うだけではなく、顧客にサーバ用OSとしてLinuxを選ばせないようにするためにあの手この手を過去幾度も駆使してきました。このキャンペーンについては以下のページに簡潔にまとまっています。2000万ドル(約24億円)以上もかけているそうですが、おそらく現在に至るまでを総合計するともっと上になっているのではないかと。
Get the Facts - マルチメディア/インターネット事典
この件については当初、マイクロソフト側の主張が各ニュースサイトでも大きく展開されました。
第一回・マイクロソフト ?「事実に基づいた比較を」と訴えるマイクロソフト
LinuxとIBMに新たな喧嘩を売るマイクロソフト - CNET Japan
マイクロソフト北川氏、「Linuxは無料ではないことを理解してほしい」
しかしもちろんLinux陣営も黙っているわけではなく、反撃に出ます。
ITmedia エンタープライズ:「Get the Facts」への反撃が始まる??半端な真実は駆逐されるか (1/2)
ITmediaニュース:Linux対Windows論争、OSDLがMSの「Get the Facts」キャンペーンに反論
OSDL、マイクロソフトの反Linuxキャンペーンに異議あり! ? @IT
「オープンソースはコスト削減になる」--欧州委員会、オープンソースを支持 - ZDNet Japan
特に以下の記事はよくまとまっており、かなり「真実」を突いている。
Open Tech Press | Halloween XI: FUDに目を向けよう
最初に、利害関係について簡単におさらいしてみよう。Microsoftが(少なくとも現在の同社のビジネスモデルが)生き残るには、オープンソースは死ななければならない。かつての冷戦の状況とよく似ている。平和的な共存は我々にとって持続的な解決策となりうるが、Microsoftにとっては決して解決策とならない。よりオープンなシステムと比較されることで顧客との結び付きが侵食されるのを、見過ごすことはできないからである
そして極めつけが、以下の記事。
Open Tech Press | 「Get the Facts」キャンペーンの裏側
「タネも仕掛けもある調査報告」という項目があり、その中で信頼性があるように見せかけるために以下のようなことを行った、と書かれています。
カードの山に事前に細工をしておけば、どんなことも不可能ではない。GtFキャンペーンの最初の広告はTCO調査に関するもので、資金提供は Microsoft、調査報告はIDCが行っていたが、この調査では、WindowsのTCOはLinuxよりも低いとされていた。しかし、IDCのアナリストであるDan Kusnetzkyは雑誌『BusinessWeek』に対して次のように語っている。「(Microsoftは)Linuxを使った方が必ずコストがかかるようなシナリオばかりを選んできた」。
さて、マイクロソフトは先週、新しい主力サーバOSとして「Windows Server 2008」を発表したわけですが、今度はどのようなキャンペーンを考えているのでしょうか……わくわくしますね……。
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