AI検索はGoogle検索を置き換えるのではなく新たな顧客を呼び込んでいるとShopifyが報告

ブラウザ検索をする代わりにチャットAIに尋ねることで知りたいことの解説や必要な情報を得られることから、「Google検索からウェブサイトへの流入が減少する」という懸念が広がっています。一方で、eコマースプラットフォームを運営するShopifyは、「AI検索はGoogle検索を置き換えるものではなく、新たな顧客を呼び込む新しい流入経路になっている」との見方を決算発表会で示しました。
AI-referred shoppers convert better and spend more (2026) - Shopify
https://www.shopify.com/enterprise/blog/ai-search-insights
Shopify says AI search is driving more traffic and sales, not replacing Google | TechCrunch
https://techcrunch.com/2026/08/05/shopify-says-ai-search-is-driving-more-traffic-and-sales-not-replacing-google/
Shopifyは2026年第2四半期決算発表会で、AI経由で商品を購入した顧客に関するデータを公開しました。Shopifyの2026年第1四半期のコマースデータによると、ChatGPT・Perplexity・Gemini・Copilot・Claude・GrokなどのAIチャットボットからの参照セッションは、前年比8倍まで増加したとのこと。オーガニック検索も依然として主要な商品の発見チャネルであり、Shopifyが追跡しているすべてのAIプラットフォームからの流入を合計したよりも多くのセッションをShopifyに誘導しており、前年比約5%増加しているとShopifyは発表しました。
一方で、アクセスした人のコンバージョン率(どれだけ商品を購入するか)という「トラフィックの品質」に焦点を当てた場合、オーガニック検索経由の顧客に比べてAI経由の方がコンバージョン率が約50%高く、平均注文額も14%高くなっていることが判明しています。

AI経由のコンバージョン率が高くなる理由として、Shopifyはセッション開始位置を挙げています。AI経由のセッションの場合、商品詳細ページから始まるケースが55%であり、顧客の半数は直接目当ての商品ページにアクセスしています。一方でオーガニック検索の場合、ブランドやカテゴリにリンクするケースも多く、直接商品詳細ページにアクセスするケースは20%にとどまっていました。Shopifyは「AI検索は、購買プロセスの発見段階と検討段階を1回の会話に集約し、見込み客を直接商品ページに誘導します。このチャネルは消費者の普及においてはまだ初期段階にあるものの、商業的な効果は明らかです」と述べています。

Googleの「AIによる概要」やChatGPT SearchなどのAI検索サービスは、従来の検索エンジンに代わる存在として急速に利用が拡大しています。その一方で、AIが回答を直接表示することでウェブサイトへのアクセスが減少し、検索流入に依存する企業への影響を懸念する声も上がっています。実際に、データ分析企業が公開した検索エンジンからのトラフィックに関するデータによると、2024年から2026年の2年間で検索エンジンからのトラフィックは1日10万PV以上の大規模パブリッシャーで22%減、1日1万PV~10万PVの中規模パブリッシャーで47%減、小規模パブリッシャーでは60%減に上ったとのこと。
検索エンジンからのトラフィックがウェブ全体で減少、小規模サイトでは60%減も - GIGAZINE

一方で、Shopifyのハーレー・フィンケルスタイン社長は2026年第2四半期決算説明会で、「AI検索はGoogle検索を置き換えているわけではありません。AI検索は新しい顧客を生み出しており、Google検索も依然として成長しています」と語り、特に顧客基盤の大半を占める小規模事業者を含む、販売数が少ない「ロングテール層」に恩恵をもたらしていると指摘しました。
フィンケルスタイン氏は「検索エンジンは少数のキーワードに対する人気度に基づいてランキング付けを行うのに対し、AIエージェントはShopifyのカタログに複数回アクセスし、より豊富な構造化データを用いて、キーワードだけでなく購入者の具体的な意図に合った商品をマッチングさせます。例えば、購入者がAIアシスタントに『セダンの後部座席に3台横並びで設置できる最適なチャイルドシート』を尋ねた場合、従来の検索では『チャイルドシート』というキーワードに絞って検索が行われます。しかしAIエージェントは、実際のニーズ・寸法・車種、そしてチャイルドシートを3台並べる必要があることを理解しています。その上でそれらの制約条件すべてを同時に検索し、単にランキング上位の商品ではなく、実際に機能する商品を見つけ出します」と説明しています。
Shopifyは「オンラインストアが今すべきこと」として、AIトラフィックを独自のチャネルとして測定することや、商品ページをAIエージェントが正しい情報を評価できるように最適化すること、エージェントを介した取引の準備をすることを挙げています。また、ShopifyはAIツールやAIエージェントとの連携にも取り組んでおり、Claude・ChatGPT・Perplexity・Manus・Replit・Vercelといったプラットフォームへのコネクタを構築したほか、販売者がShopify上で自由に構築できるAIエージェント向けの開発環境も提供していると語りました。
その上で、Shopifyは「AIは検索の代替ではなく、補完的なもの」としており、オーガニック検索は依然としてAIよりもはるかに多くのセッションを誘導しているため、オーガニック検索への投資を継続することも重要だと述べています。
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in AI, ネットサービス, Posted by log1e_dh
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