ユーザーの代わりに買い物できるPerplexityのAIブラウザ「Comet」のAmazonへのアクセス禁止命令を裁判所が下す、さらにAmazonのデータの複製をすべて破棄することも義務付け

アメリカのカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所が、AIスタートアップ企業のPerplexityが提供するAI搭載ウェブブラウザ「Comet」に対し、Amazonのパスワード保護されたシステムへのアクセスを一時的に禁止する予備差止命令を2026年3月9日付けで下しました。
Amazon.com Services LLC v. Perplexity AI, Inc. | Northern District of California | United States District Court
https://cand.uscourts.gov/cases-e-filing/cases/325-cv-09514-mmc/amazoncom-services-llc-v-perplexity-ai-inc
Amazon Wins Court Order to Halt Perplexity’s AI Shopping Bots on Marketplace - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-03-10/amazon-wins-court-order-blocking-perplexity-s-ai-shopping-bots
Amazon wins court order to block Perplexity's AI shopping agent
https://www.cnbc.com/2026/03/10/amazon-wins-court-order-to-block-perplexitys-ai-shopping-agent.html
この命令は2025年11月にAmazonが連邦コンピュータ不正利用防止法(CFAA)およびカリフォルニア州のコンピュータ詐欺法に基づき、PerplexityがAIショッピングエージェントの存在を隠蔽しているとして提訴したことに始まります。
AmazonがAIエージェントによるブラウジングを止めるようAIブラウザのPerplexityを法的に脅迫 - GIGAZINE

Amazonは、PerplexityがCometによる自動アクセスを通常のGoogle Chromeブラウザによる人間的な通信であるかのように偽装し、Amazonが2025年8月に実施したブロック措置を回避するようなソフトウェア更新をわずか24時間以内に行っていたと主張。Amazonは2024年11月から少なくとも5回にわたり警告を行ってきましたが、Perplexityはこれに従わず、パスワードで保護されたAmazonプライムアカウントなどの機密領域へのアクセスを継続したとされています。
また、AmazonはCometにはプロンプトインジェクションの脆弱性があり、フィッシング詐欺に対しても脆弱であるというセキュリティ上のリスクを指摘。さらに経済的な側面として、AIエージェントが検索結果から直接チェックアウトに進むことで、スポンサー広告の表示がスキップされる問題もあると指摘しました。
マキシン・チェズニー判事は、AmazonがCometのアクセスを遮断するためのツール開発や不正アクセスの検出に5000ドル(約77万円)以上の予算を投じたという証拠は事実であると認め、Amazon側が本案訴訟で勝訴する可能性が高いと判断しました。
Perplexityは「Cometはユーザーの指示を自動化しているだけであり、ユーザーの許可があればアクセスは正当である」と主張し、Amazonの法的措置はいじめのような戦術であると批判しましたが、裁判所はPerplexityの主張を退けています。
今回の命令により、Perplexityとその関係者は、AIエージェントを用いてAmazonの保護されたシステムにアクセスすることや、そのための新規アカウント作成、既存アカウントの乗っ取りなどが禁止されます。また、不正に取得した顧客データを含むすべてのAmazonデータのコピーを破棄し、その履行を30日以内に宣言書で証明することが命じられました。

この判決は、ユーザーの許可を得たAIエージェントが、プラットフォーム側の承諾なしに保護された領域へアクセスすることの適法性を問うものであり、AI時代のオンライン商取引におけるプラットフォームの制御権に関する重要な先例となる可能性があります。
Perplexity側は自社の市場価値や投資額に基づき、10億ドル(約1550億円)の供託金の支払いを求めましたが、裁判所は差し止めが事業全体に及ぼす影響は限定的であるとしてこれを却下。命令の効力は控訴の手続きを行うための7日間ですが、Perplexityは「インターネットユーザーが好みのAIを選択する権利のために戦い続ける」との声明を出しています。
なお、Amazonは独自のAIショッピングアシスタント「Rufus」やAlexaの新機能を推進する一方で、ChatGPTを含む数十のAIエージェントによるアクセスを制限しており、2026年3月4日からはすべてのAIエージェントに対して自己識別を正式に義務付ける規約を施行しています。
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in AI, ネットサービス, Posted by log1i_yk
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