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Googleがサードパーティアプリに課す身元認証は「これまでで最も消費者に不利な動き」であるという指摘


Androidは公式アプリストアの「Google Play」から以外でも自由にアプリをインストールする「サイドローディング」が可能ですが、サイドローディングしたアプリから検出されるマルウェアの数はGoogle Playのアプリに比べて50倍以上多いとされているため、Googleはすべてのアプリに身元を確認する「開発者認証機能」を導入する計画を発表しました。開発者認証機能はユーザーを保護するためのものですが、技術系メディアや開発者コミュニティでは「消費者に不利な動き」であると強い反発が起きています。

Android’s sideloading limits are its most anti-consumer move yet
https://www.makeuseof.com/androids-sideloading-limits-are-anti-consumer-move-yet/


Googleは2025年8月に、誤って端末にマルウェアをインストールしてしまうリスクを抑えるため、「開発者認証機能」を発表しました。開発者認証機能に基づくと、Google Play以外でアプリを配信する開発者は住所・氏名・メールアドレス・電話番号等を提供する身元確認を行う必要があり、確認後、アプリのパッケージ名と署名鍵を登録することで、身元確認が完了したと見なされます。開発者認証機能は2026年9月以降から一部地域、2027年以降に世界で展開していく予定です。

Androidにインストールされる全アプリの身元を確認する「開発者認証機能」をGoogleが導入 - GIGAZINE


開発者認証機能は、開発者の身元を確認する制度であり、アプリの内容や機能を審査するものではありません。アプリのセキュリティチェックはGoogle Play Protectが実施しており、安全でないインストールを警告したり提供元不明のアプリをブロックしたりしています。

テクノロジーメディアのMakeUseOfは、開発者認証機能はユーザーを保護するものではなく、むしろ「反消費者的なもの」であると指摘しています。まず、サイドローディングはGoogle Playでのインストールよりもセキュリティ面に不安がありますが、消費者が自由にアプリを選んでインストールできるという権利を保証するものであり、開発者認証機能はそれを制限するという見方があります。また、制限が強化されると、AppleやGoogleがデジタル市場法に基づいてたびたび非難されているように、専用のアプリストアを強制する寡占状態になるという問題もあります。

さらに、開発者認証機能はアンドロイドアプリケーションパッケージ(APK)を中心としたエコシステム全体にも影響を与えると懸念されています。Google Playでは入手できないアプリをホストしているF-Droidなどのツールの多くは、Googleの支配から外れたところで運営されていることに重要な意味がありましたが、新しいサイドローディングの制限によって、たとえ安全であっても多くのアプリが主流のデバイスで利用できなくなる可能性があります。F-Droidは開発者認証機能について「この法令が施行されれば、F-Droidプロジェクトをはじめとするフリー・オープンソースのアプリ配信ソースは終焉を迎え、誰もが信頼し検証できる数千ものアプリ群の安全性とセキュリティが世界から失われることになります。F-Droidの無数のユーザーは、インストールする手段も、既存のアプリを更新する手段さえも失い、途方に暮れることになります」と公式ブログで語りました。

アプリ配布サイトのF-DroidがGoogleの開発者登録義務化に猛反発 - GIGAZINE


さらに、インディー開発者や趣味のアプリ開発者にとって、身元認証に必要な時間や労力、プライバシーが負担となり、サイドローディングのスピーディーさが損なわれる点も重要なポイントです。Androidは単一の中央集権に依存しない柔軟性が優れており、イノベーションが期待できた点で優れていましたが、その特徴が失われる可能性もあります。

MakeUseOfは「最終的にはエコシステムの縮小につながる可能性があり、消費者も開発者も私たち全体が損害を被ることになります。規制を回避する策はありますが、技術的な複雑さや潜在的なセキュリティリスクなどさまざまなトレードオフが伴います。一つ確かなことは、Androidのオープン性は失われつつあるということです。しかし、いつか完全に閉鎖的なエコシステムになるかどうかは分かりません」と述べています。

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in ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by log1e_dh

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