人が驚くと瞳孔が拡大するのはなぜか?研究者が解説

周囲が暗かったり、感情が高ぶったりすると人の瞳孔は開きます。なぜこのような動きが見られるのかについて、ブラウン大学の研究者らが新しい研究と共に紹介しました。
Fluctuations in arousal reflect latent state transitions that facilitate behavioural optimization | Nature Human Behaviour
https://www.nature.com/articles/s41562-026-02533-1

Why do people’s pupils dilate when they’re surprised? Brown researchers explain | Brown University
https://www.brown.edu/news/2026-08-05/pupil-dilation-surprise
Surprise helps people learn and think better, brain study finds - The Brighter Side of News
https://www.thebrighterside.news/post/surprise-helps-people-learn-and-think-better-brain-study-finds/
ブラウン大学のマット・ナサール氏によると、瞳孔が開くのは「新しい状況に適応するために脳内で何らかの働きが起きていることを示すサイン」だそうです。
人が予想外の出来事に出くわすと、神経伝達物質「ノルアドレナリン」を分泌する脳の青斑核(せいはんかく)が活動します。ノルアドレナリンは身体の闘争・逃走反応を引き起こす物質で、多くの脳のニューロンを活性化させ、体を興奮させます。

ナッサール氏らは、画面上に色付きの四角形を表示し、被験者に何が見えたかを報告してもらうと共に、次に何が表示されるかを予測してもらうという実験を行いました。この間、ナッサール氏らは瞳孔の大きさや脳波が変化する様子を追跡しました。

実験では、これまで同じ系統の色が出ていたのに突然別の系統の色に遷移する「チェンジポイント条件」と、同じ系統の色が出る中で突然別の系統の色が出て、また元の系統の色に戻るという「オッドボール条件」の2種類が行われました。

その結果、被験者は予測と一致しない意外な色が表示されると瞳孔が拡張し、特定の脳波を増幅させることが分かりました。こうした予想外の状況ではノルアドレナリンが急増しており、ナッサール氏らは「ノルアドレナリンには脳内をリフレッシュする効果があるのでは」と推測しました。
脳内をリフレッシュすると、新しい情報に合わせて脳が調整され、周囲で起きていることをすぐ認識して学習することができます。瞳孔が開くのはこうした脳のリセットに伴う副次的な効果だということです。
なお、被験者は瞳孔や脳活動の変化に気づいていませんでした。

研究によると、リフレッシュは必ずしも学習効果を高めるわけではないとのこと。変化が起こりやすい状況では新しい情報から多くを学び、安定した状況では脳が慎重になって偶発的な出来事に過剰反応しなくなるそうです。
今回の研究は、これまで分かっていなかった「何を目的としてノルアドレナリンが分泌されるのか」について新しい知見をもたらしたという点で有用だと、ナッサール氏らは述べています。
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in サイエンス, Posted by log1p_kr
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