セキュリティ

Appleが「高度なデータ保護」機能をイギリスで提供終了へ


Appleが、iCloudに保存されたバックアップや写真、メモなどを対象に施している「高度なデータ保護」(Advanced Data Protection:ADP)機能の新規提供を終了したことがわかりました。すでに機能を利用しているユーザーに対しても、将来的には無効化する方針であることを明らかにしています。

Apple is removing iCloud end-to-encryption features from the UK after government compelled it to add backdoors - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2025/02/21/apple-removing-end-to-encryption-uk/


Apple pulls encryption feature from UK over government spying demands | The Verge
https://www.theverge.com/news/617273/apple-removes-encryption-advanced-data-protection-adp-uk-spying-backdoor


Appleが提供している「高度なデータ保護」は、iCloudのデータをエンドツーエンド暗号化(E2EE)によって保護する仕組みで、iOS 16.3から導入されました。機能を有効にすると、暗号化されたデータを復号するためのキーは機能に対応した「信頼できるデバイス」に保存されることになり、Appleですらデータの復号はできなくなります。

AppleがiOS 16.3・iPadOS 16.3・macOS Ventura 13.2をリリース、純正壁紙追加・Apple IDでFIDOキーをサポート・iCloudの高度なデータ保護など - GIGAZINE


イギリスは、この「高度なデータ保護」機能を新たに設定することができなくなっており、すでに利用しているユーザーも将来的には使えなくなる見込みです。

ニュースサイトの9to5Macは、Appleによる声明の全文を伝えています。


「Appleはイギリスで、新規ユーザーに対し『高度なデータ保護』を提供できなくなり、また、既存のユーザーは最終的に機能を無効にする必要があります。『高度なデータ保護』は、iCloudのデータをエンドツーエンドの暗号化で保護しています。つまり、データは所有ユーザーの、信頼できるデバイスでのみ復号できます。データ漏洩や顧客のプライバシーを脅かす脅威が増え続ける中、『高度なデータ保護』がイギリスの顧客に対して提供できないことを大変残念に思っています。エンドツーエンド暗号化によるクラウドストレージのセキュリティ強化は、以前にも増して急務です。Appleは引き続き、ユーザーの個人データに対して、最高レベルのセキュリティを提供することに全力を尽くしており、また、イギリスでも将来的に同じようにできることを期待しています。これまで何度も述べてきたように、Appleはいかなる製品やサービスにもバックドアやマスターキーを設置したことはなく、今後も設置することはありません」

ニュースサイトのThe Vergeは、「『高度なデータ保護』はイギリス以外では引き続き無料で利用可能なので、イギリス国外在住の人は有効にしておくことをオススメします」と述べています。

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in セキュリティ, Posted by logc_nt

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