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AIで人間の寿命を10年延ばす治療法を研究するスタートアップ「レトロ・バイオサイエンス」がOpenAI等から10億ドルの資金を調達


AIを新薬開発に役立てる新興企業レトロ・バイオサイエンス(Retro Biosciences)が、その研究を支援するために10億ドル(約1600億円)の資金を調達していると報じられました。投資家の中には、以前から同社を支援していたOpenAIが含まれていると伝えられています。

Retro Biosciences, backed by Sam Altman, is raising $1 billion to extend human lifespan | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/01/24/retro-biosciences-backed-by-sam-altman-is-raising-1-billion-to-extend-human-lifespan/


Sam Altman reportedly backs $1B round for AI healthcare startup Retro Biosciences - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2025/01/24/sam-altman-reportedly-backs-1b-round-ai-healthcare-startup-retro-biosciences/

レトロ・バイオサイエンスは人間の平均寿命を10年延ばすことを目標とする、2022年半ばに立ち上げられたスタートアップです。ホームページによると、造血幹細胞を骨髄移植によって置き換えたり、血漿(けっしょう)交換による若返りを追求したりする研究を行っているようです。

立ち上げ当初、レトロ・バイオサイエンスはOpenAIのサム・アルトマンCEOから1億8000万ドル(約280億円)の初期投資を受けており、アルツハイマー病などの病気をターゲットにした医薬品の開発をOpenAIのAIモデルを使用して進めているなど、OpenAIとは蜜月の関係にあります。


2025年1月にはOpenAIとレトロ・バイオサイエンスが共同でタンパク質設計に特化したAIモデル「GPT-4b micro」を開発したと発表。京都大学の山中伸弥教授らが発見した遺伝子グループ「山中因子」の研究に同モデルを用い、既存の方法のおよそ50倍の効率でタンパク質を設計することに成功したと伝えました。

OpenAIがタンパク質設計モデル「GPT-4b micro」を開発、iPS細胞に関与するタンパク質の再設計を目指す - GIGAZINE


レトロ・バイオサイエンスによると、研究者らは「Few-shotプロンプティング」と呼ばれる方法を用いてGPT-4b microと対話するとのこと。Few-shotプロンプティングとは、1つのプロンプトの中に質問と回答の例を入れて答えを引き出す手法です。タスクを説明するだけでなく例を提示することで、回答の品質を高めることができるとされています。

OpenAIの資金提供を受け、さらに独自のAIモデルを開発することで新薬開発の分野で大きく前進することが見込まれるレトロ・バイオサイエンスは、今回調達した資金を3つの新しい治療薬の開発に充てると伝えました。ひとつは血液細胞を若返らせる手法、もうひとつはアルツハイマー病の治療法で、後者は025年後半にオーストラリアで初期段階の臨床試験が開始されると報じられています。最後のひとつは公開されていません。

レトロ・バイオサイエンスのジョー・ベッツ=ラクロワCEOは「2020年代に薬を発見し開発することで、迅速に動きたい」と語りました。

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in Posted by log1p_kr

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