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なぜレゴはあんなに高い値段なのか?


近年、ブロック玩具のレゴは単なるおもちゃの枠を超え、時に投資対象としても注目を集めています。数十万円のレゴセットが盗難に遭ったというニュースや、一つのミニフィギュアが数十万円で取引されるという事例は、現代におけるレゴの価値を象徴しています。なぜレゴはこれほどまでに高価なのかについて、ブロック玩具の通信販売サイトであるLatericiusが解説しています。

7 reasons why LEGO® is so expensive, plus cheaper alternatives – Latericius
https://latericius.com/en/blogs/blog/why-is-lego-so-expensive

レゴは玩具業界の最大手として、プレミアムブランドの地位を確立しています。AppleやNikeのような他のプレミアムブランドと同様に、レゴは高品質と革新性を重視した価格戦略をとっています。

その代表的な例が、大人のファン向けの製品展開です。1990年代までは主に子供向けの玩具として認識されていましたが、現在では「Adults Welcome」を掲げ、大人のファンを重要な顧客層として位置づけています。例えば、7000ピース以上のミレニアム・ファルコンや、9090ピースのタイタニックといった大規模なセットは、販売価格がおよそ10万円前後となっており、このプレミアム戦略を象徴しています。


製造面では、徹底した品質管理が行われています。0.0005インチ(約12.7マイクロメートル)という高精度な寸法公差を維持し、超耐久性のある熱可塑性樹脂を使用することで、製品の長期的な価値を保証しています。

この高い品質基準により、レゴは60年前に製造されたブロックと現代のブロックが完璧に組み合わさるという互換性を実現しています。これは単なる製造精度の問題ではなく、世代を超えた価値の継承を可能にする重要な特徴となっています。また、環境への配慮も忘れていません。2030年に向けてABSプラスチックの環境配慮型代替材料の開発に積極的に投資を行っています。


ビジネスモデルの重要な部分として、人気IPとのライセンス契約があります。スター・ウォーズ、ディズニー、ハリー・ポッター、フォートナイト、スーパーマリオなどの人気フランチャイズとのコラボレーションは、ブランドの魅力を高めると同時に、高額なライセンス料という形で製品価格にも影響を与えています。


実は、レゴのパーツあたりの価格は長年約10セント(約15円)で安定しているとされています。しかし、セットの大型化や複雑化により、一つのセットあたりの総額は上昇傾向にあるとのこと。2020年以降、300ドル(約4万6000円)を超えるセットが増加していますが、これは単なる価格上昇ではなく、より複雑で精巧なセットへの需要の高まりを反映しているといえます。

レゴのもう一つの特徴は、強力なアフターマーケットサポートです。破損や紛失したパーツの交換サービスを提供し、LEGOインサイダープログラムを通じて頻繁な購入者への特典も用意しています。これらのサービスは、製品の長期的な価値を支える重要な要素となっています。


また、レゴはコレクター市場でも際立った存在感を示しています。通常、レゴのセットは約2年間で製造が終了しますが、その後の価値の推移は興味深いものがあります。一般的なセットは中古市場で元の価値の50~75%で取引されますが、特定のセットや未開封品は当初価格の数倍で取引されることもあります。

特にミニフィギュアは驚くべき価値を持つことがあり、単体で数万円から数十万円で取引される例も報告されているとのこと。これは、レゴの製品が単なる玩具を超えて、投資価値を持つコレクターズアイテムとしても認識されていることを示しています。こうした価格戦略とブランド構築は、レゴが70年近くにわたって競争と変化する大衆文化の中で生き残り、発展してきた重要な要因といえます。


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in メモ, Posted by log1i_yk

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