VRヘッドセットを着けながらエクササイズをすると効率が上がることが判明
エクササイズゲームやリズムゲームなど多数のゲームがVRに対応したことで、ユーザーはより没入感の高い環境でアクティビティを楽しむことができるようになっています。このようなVR環境でエクササイズを行った場合、普通にエクササイズするのに比べて酸素消費量や幸福度が上昇することがわかりました。
Acute psychological and physiological benefits of exercising with virtual reality | PLOS ONE
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0314331
Want to get active? Try using Virtual Reality | King's College London
https://www.kcl.ac.uk/news/active-virtual-reality
キングス・カレッジ・ロンドンの研究者らは、17人の健康な参加者を募り、VRヘッドセットの「Meta Quest 2」を装着させ、「FitXR」というMeta Quest専用のエクササイズアプリでエクササイズを行わせました。また、心拍数や酸素消費量を測るため、参加者に専用のマスクなどを装着させました。
データを分析したところ、参加者がヘッドセットを着用した場合、着用せずスクリーンにゲーム画面を映した場合と比べてより多くの酸素を消費していましたが、参加者本人は運動量に差がないと感じていたとのことです。
さらに、VRヘッドセットを着用した方が楽しかったと報告した人が多く、全体的にポジティブな反応が見られたといいます。
このような反応が見られたことについて、研究者らは「VRは楽しいという、先行研究でも示された傾向に加え、参加者が握っていたコントローラーから触覚フィードバックが得られたことがプラスの影響を与えた可能性があります。目と耳に加え、手にも刺激を与えることで、VR環境で得られる臨場感、没入感が向上する可能性があります」と考察しました。
ただし、今回の参加者はVRヘッドセットを着用するのが初めてのことだったそうで、研究者らは「物珍しさから、楽しいという感情が生まれやすくなった可能性があります。今後はより長い調査期間を設定し、参加者をVRヘッドセットに慣れさせ、長期的に結果を追跡する必要があります。また、今回の参加者は比較的若くて活動的だったため、将来の研究は普段運動をしない人や高齢者にも焦点を当てるべきだと考えます」と述べています。
研究に参加したオリバー・ランズウィック氏は、「市販のVRヘッドセットとアプリを使用した今回の研究で、VRの使用が運動を楽しくする効果的な手段となり得ること、そして、本人が思っている以上に努力させられるという付加的な効果があることがわかりました。運動というものは皆が皆楽しめるというわけではありません。このことは健康やウェルビーイングに長期的な影響を及ぼす可能性があり、解決策を確立することが重要なのです」と述べ、VRによるエクササイズが既存のエクササイズの代替案として使える可能性を示しました。
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