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ロシアがASMLに対抗するべく独自のEUV露光装置を開発開始


「EUV露光装置」は最先端半導体の製造に必要不可欠な装置で、オランダ企業のASMLが大きなシェアを握っています。新たに、ロシアがASMLに依存しない独自のEUV露光装置開発計画を作成しました。計画ではASMLとは異なる仕組みのEUV露光装置の開発が想定されており、装置以外の半導体製造ツールの総入れ替えも必要になるそうです。

В России написана «дорожная карта» создания суверенного литографа дешевле и проще, чем у ASML - CNews
https://www.cnews.ru/news/top/2024-12-13_v_rossii_razrabotali_dorozhnuyu

Russia plans EUV chipmaking tools that it says will be cheaper and easier to build than ASML's — country outlines new roadmap to smaller chips | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/russia-plans-euv-chipmaking-tools-that-it-says-will-be-cheaper-and-easier-to-build-than-asmls-country-outlines-new-roadmap-to-smaller-chips

ASMLのEUV露光装置では13.5nmという非常に短い波長の紫外線を照射することができます。ロシアは11.2nmというさらに短い波長の紫外線を扱うことを目指しており、短い波長によって製造コストと運用コストを削減できることが期待されています。


EUV露光装置開発計画は3段階に分かれており、「第1段階:基礎研究および必要な技術の特定」「第2段階:200mmウェハを1時間当たり60枚処理できる試作品の作成」「第3段階:300mmウェハを1時間当たり60枚処理できる量産対応品の作成」という順番で開発が進められる予定です。

先端半導体分野ではASMLの13.5nmという波長に合わせて設計ツールや各種周辺設備が構築されています。このため、ロシアの「波長11.2nmのEUV露光装置」を用いて半導体を製造するには、製造エコシステム全体の刷新が必要となります。ロシアはEUV露光装置の開発にかかる期間を明示していませんが、海外メディアのTom's Hardwareは「エコシステムの刷新も必要になることを考慮すると、数年から10年ほどの期間がかかる」と指摘しています。

なお、中国も「ASMLなどに依存しない半導体製造エコシステムの構築」を進めており、2024年4月には中国政府が半導体産業に7兆円超えを出資しています。

中国が国内の半導体産業振興のため7兆円以上を出資 - GIGAZINE

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article Russia begins development of its own EUV….