QualcommがIntel買収計画を撤回との報道
by JiahuiH, eugenuity
Intelの買収を検討しているとウワサされていたQualcommがIntelの買収をとりやめたと経済メディアのBloombergが報じています。報道によれば、QualcommにとってIntelを買収するに当たって超えるべきハードルが高すぎたことが原因だとされています。
Qualcomm Cools Takeover Interest in Intel After Financial, Regulatory Hurdles - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-11-26/qualcomm-s-takeover-interest-in-intel-is-said-to-cool
Qualcomm reportedly loses interest in Intel takeover | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/qualcomm-reportedly-loses-interest-in-intel-takeover
Intelは2024年第2四半期に2400億円超えの赤字を計上するなど、経営的な苦境に立たされており、大規模プロジェクトの中止や事業売却を行って設備投資などを刷新する方針を示していました。
Intelが経営立て直しのためドイツでの4兆円規模のチップ工場プロジェクトの中止や事業売却を行い設備投資などを刷新へ - GIGAZINE
そんな中、QualcommがIntelを買収する意向を示したと2024年9月に報じられました。Intelの買収は時価総額に基づけば過去最大級の買収案件になると予想され、アメリカの大手半導体企業2社が1つになることでアメリカの半導体業界を再編することになる可能性が期待されました。
QualcommがIntelに買収案を提示したとの報道 - GIGAZINE
しかし、Bloombergに匿名の関係者が語ったところによると、Intel全株の買収が非常に複雑であったことから、Qualcommにとって買収の魅力は薄れたとのこと。また、Intelには500億ドル(約7兆6000億円)を超える負債があり、数多くの財務や規制、運営上のハードルが存在したそうです。さらに両社にとって重要な市場である中国を含めた複数の国で、QualcommによるIntel買収が独占禁止法取締当局の調査対象になる可能性が指摘されました。
Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOは、2024年11月中旬に行われたBloombergのインタビューに対して「Qualcommは2029年度までに年間収益を220億ドル(約3兆3600億円)増やすという目標を持っていますが、この220億ドルで行わないといけないような大型買収は何も考えていません」と明確にコメントしたとのこと。
また、Intelのパット・ゲルシンガーCEOは2024年11月初頭のインタビューで「私はIntelという会社を存続させるつもりであり、そのための計画は取締役会の支持を得ています。そして、この取り組みに注ぐ多大なエネルギーと情熱を持っています」と答えています。
by Fortune Brainstorm Tech
ハードウェア関連のニュースサイトであるTom's Hardwareは「業界のトレンドを巨視的観点から見れば、IntelとQualcommの提携は大いに意味があったはずです。Qualcommはスマートフォンなどの5Gデバイス向けプロセッサなどを製造していますが、PC向け分野では大きな存在ではありません。それに対して、IntelはPC向けCPUの最大手サプライヤーですが、5Gデバイス向けには製品をリリースしていません」とコメントしています。
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