リンガーハットの工場で「餃子の具が多すぎる」「パッケージの印字がズレている」といった問題を検出するため自社開発したAI画像認識検査システム「ディアマ」
リンガーハットの工場でも使われているAIで異物検査するシステム「ディアマ」のデモ機が食品関連見本市「FABEX 関西 2024」で展示されていたので、どんな仕組みなのかいろいろ聞いてきました。
機器・用品販売 | Deama(ディアマ) | リンガーハット開発株式会社
https://www.ringerhut-d.jp/products/deama/
ディアマはリンガーハット開発株式会社で開発した画像認識検査システムで、リンガーハットの工場で用いられているほか、他社にも販売しています。ディアマは「カメラで食品の画像を撮影し、画像をAIやOCRで分析してチェックする」という仕組みで、必要なハードウェアは小型カメラと画像処理検査装置だけなので、既存の生産ラインを大きく変更せずに導入可能です。
これが小型カメラ。
画像処理検査装置はこんな感じ。デモ機では「印字の異常をチェックする装置」と「餃子の異常をチェックする装置」が用意されていました。
動作の仕組みは次の通り。まず、ディアマを組み込んだ生産ラインの上を食品が移動します。
食品が小型カメラの下を通過すると、画像処理検査装置に検査結果が表示されます。
「餃子の焼き目が濃すぎる」などの異常を検出すると「NG」と表示されます。検査にかかる時間は200ミリ秒以内です。
異常が発生した食品はラインから除去します。デモ機ではロボットアームが使われていましたが、ほかの装置でもOKとのこと。
OCRで印字ミスを検出することも可能。
AIは食品に合わせてカスタム可能。例えば「弁当の異常を検出する」という用途に最適化することもできます。弁当の異常を検出するディアマのデモ機が以下。
例として、以下の弁当が用意されていました。右側の弁当には「米の上に異物がのっている」「具材が間違っている」という異常が含まれています。
ディアマは瞬時に異常を検出できていました。
担当者にディアマの強みを尋ねたところ、「『AIで異物検査するシステム』は製薬分野などでも活用されているが、製薬用のシステムは形や色が少しでも違うと『異常』と判定してしまう。食品は形や色が完全に均一というわけではないため、製薬用のシステムでは『正常な食品も異常と判定してしまう』という問題が発生する。その点、ディアマはリンガーハットの工場での経験も踏まえて食品用に最適化できている」と述べていました。
なお、ディアマについては以下のリンク先から問い合わせできます。
機器・用品販売 | Deama(ディアマ) | リンガーハット開発株式会社
https://www.ringerhut-d.jp/products/deama/
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