MetaがAIで生成したオーロラの画像をThreadsに投稿して猛非難を受ける
2024年10月に起きた大規模な太陽活動による低緯度オーロラ現象で、SNS上では普段オーロラを観測できないような低緯度地域で撮影されたオーロラの画像が多数共有されました。そんな中、ThreadsでMetaの公式アカウントがAI生成のオーロラ写真を投稿したことで、多くのユーザーから批判を受けています。
Meta suggests AI Northern Lights pics are as good as the real thing - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/12/24268441/meta-ai-generated-northern-lights-images-threads-users-upset
2024年10月初頭に、大規模な太陽フレアが発生したことがわかりました。太陽フレアは太陽表面でおきる爆発現象で、強い電波やX線、電子や陽子などの電気を帯びた荷電粒子が飛び出します。
ここ7年で最大規模となるX9.05の太陽フレアが発生 - GIGAZINE
太陽フレアで飛び出したX線や荷電粒子は地球にも大きな影響を及ぼし、電波通信を妨害するデリンジャー現象や磁気嵐を引き起こすほか、オーロラの活動も活発になります。
実際、この2024年10月の太陽フレアから数日後、本来北極圏などの高緯度地域でしか見ることのできないオーロラが日本各地で観測されたと報告されています。
10月11日未明、低緯度オーロラと思われる現象を撮影しました!
— 仙台市天文台広報担当 (@SAO1300) October 12, 2024
空の低いところに赤っぽい色の光が写っています。
撮影日 :2024/10/11 3:09
撮影場所:仙台市・泉ヶ岳付近
撮影機材:SONY α7SⅡ(ISO-12800)
露出時間:10秒#仙台市天文台 #オーロラシチズン pic.twitter.com/XGWRD24xYa
感動!!!!
— Gigabit_Ethernet (@Gigabit1123) October 10, 2024
島根県でもオーロラ見えました!!! pic.twitter.com/vXGjOS6gks
そんな中、Metaの公式アカウントがThreadsに投稿した写真が以下。アメリカの上空に見事なオーロラが広がっているように見えますが、Meta公式アカウントが投稿内で述べている通り、これらはAIによって生成された画像です。
この投稿に対して「これはThreadsでオーロラの写真を投稿してきた数百万人の写真家に対する侮辱です」「なんということでしょう、こんなことをしないで!あなたのやったことは間違っています」「Metaはどこまで物事にうといんでしょうか」という批判が寄せられました。
また、Threadsには投稿したコンテンツがAI生成であることを示すラベル付けの機能が実装されているのですが、Meta公式がこの機能を使わず投稿したことについても批判が殺到しています。
天体物理学者・素粒子物理学者兼AI物理学者を名乗るユーザーは「Metaには世界をリードする素晴らしいAIがあるのに、あなたの組織には信じられないほどセンスが最悪な人がいて、これを無駄にしているのですか」と批判しました。
一方で、「本物の写真と本当の体験はAIよりもずっといいに決まっている」と述べて、実際に撮影した低緯度オーロラの写真を共有する人もいました。
IT系ニュースサイトのThe Vergeは、「Googleが『子どもから陸上選手へのファンレターをAIに書かせるCM』をテレビ放送し炎上したのと同様に、MetaのThreadsチームは場の空気を読むことができませんでした。ユーザーは単にきれいな写真を披露するだけではなく、貴重な生活体験をシェアしてみんなで祝うことも目的としています。TPOを考えると、AIが生成した画像を挿入するような状況ではありませんでした」とコメントしています。
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