メモ

Amazon・Google・Microsoft・OpenAIを含む100社以上の企業が2026年8月のAI法完全施行前に「自主的な誓約」を目的としてEUのAI協定に署名、AppleとMetaは署名せず


EUでは、欧州市場全体で民間および公的組織による安全で信頼できるAIシステムの開発と導入を促進することを目的として2024年5月に人工知能(AI)法が成立し、2024年8月1日から一部が施行されています。しかし、全規定の完全適用は2026年となっていることから、OpenAIなど100社以上の企業が完全適用に先駆けて「EU AI協定」に署名しています。

Over a hundred companies sign EU AI Pact pledges
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_24_4864


A Primer on the EU AI Act: What It Means for AI Providers and Deployers | OpenAI
https://openai.com/global-affairs/a-primer-on-the-eu-ai-act/

Meta will not immediately join EU's AI Pact ahead of new law | Reuters
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/meta-will-not-immediately-join-eus-ai-pact-ahead-new-law-2024-09-24/

Early sign-ups to EU's AI Pact include Amazon, Google, Microsoft, and OpenAI — but Apple and Meta are missing | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/09/25/early-sign-ups-to-eus-ai-pact-include-amazon-google-microsoft-and-openai-but-apple-and-meta-are-missing/

2024年5月に成立したAI法は、AIの潜在的なリスクと影響レベルに基づいて、AIに対する義務を定めるもので、プロファイリングからの予測に基づく取り締まりや、人種・宗教・性的指向などの特定のカテゴリに従って人々を分類するようなAIの使用を禁止するというもの。また、適切な執行のために欧州委員会直下の「AIオフィス」や、独立した専門家から構成される委員会、加盟国の代表者を含むAI委員会、AI委員会や欧州委員会に技術的専門知識を提供する諮問会なども設立されます。


AI法に違反した場合には最大3500万ユーロ(約56億円)または違反企業の前会計年度における全世界年間売上高の7%が罰金として科せられます。

EUの人工知能(AI)法が加盟国に承認されて成立、「安全で信頼できるAIシステムの開発と導入の促進」を目指す - GIGAZINE


その後2024年8月1日からAI法は施行されましたが、EUで事業を営むすべての企業に向けた諸規則の適用は2026年8月までに実施されるとのことで、その間EUがAI協定で埋めようとしているコンプライアンス違反の取り締まりにおいて空白期間が生まれることになります。

そこでAmazon、Microsoft、Google、OpenAIなど115の企業は「AI法の完全適用に先立ってAI法の原則の適用を開始する」という「EU AI協定」に自発的に署名しました。EU AI協定では、参加企業に対し以下の3つにコミットすることを求めています。

・組織内でのAIの取り込みを促進し、AI法の将来のコンプライアンスに向けて取り組むために、AIガバナンス戦略を採用する
・AI法の下でハイリスクに分類される可能性が高いAIシステムを特定する
・スタッフのAI認識とリテラシーを順守し、倫理的で責任あるAI開発を実施する

これらの中核的なコミットメントに加えて、署名した企業の半数以上が、人間による監視の確保やリスクの軽減、ディープフェイクなど特定の種類のAI生成コンテンツに対する透明性ラベル付けなど、追加の誓約を宣言しています。


欧州委員会によると、EU AI協定はAI法を監督する機関であるAIオフィスによって起草され、AI協定ネットワークにおける「関連する利害関係者」からのフィードバックを受けてフィルタリングされたとのこと。

OpenAIのヨーロッパおよび中東の政策・パートナーシップ責任者であるサンドロ・ジャネラ氏は「すべての人に利益をもたらす安全で最先端のテクノロジーを提供するという当社の使命と一致する、EU AI協定の中核的な優先事項をサポートできることを誇りに思っています」と語りました。また、Snapの広報担当者は「信頼できるAIの開発を支援するというAI法の目的が、私たちの価値観とこれまで継続してきた取り組みと基本的に一致しています」と述べています。

なお、記事作成時点でEU AI協定にAnthropicやNVIDIA、Spotify、Apple、Metaなどの企業は署名していません。欧州委員会は「AI法が完全に適用されるまでの間、私たちはいつでもEU AI協定に参加し、条項にコミットすることを歓迎します」と伝えています。またMetaの広報担当者は「私たちは調和のとれたEUのルールを歓迎しており、AI法に基づくコンプライアンス活動に注力しています」と述べ、今後EU AI協定に署名する可能性を否定しませんでした。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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