メモ

EUの「AI法」が2024年8月1日に施行決定、違反時の罰金は最大で年間売上高の7%か3500万ユーロ


2024年5月に成立したEUの「人工知能(AI)法」の最終版全文が公式官報に掲載されました。新法は公布から20日で施行されるため、AI法は2024年8月1日に施行されることが確定しました。全規定の完全適用は2026年からですが、一部についてはもっと早い段階から適用されることになります。

REGULATION (EU) 2024/1689 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=OJ:L_202401689


EU's AI Act gets published in bloc's Official Journal, starting clock on legal deadlines | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/07/12/eus-ai-act-gets-published-in-blocs-official-journal-starting-clock-on-legal-deadlines/


The AI Act compliance countdown begins - The Verge
https://www.theverge.com/2024/7/12/24197058/eu-ai-act-regulations-bans-deadline

EUの「AI法」は、AIの開発者に対して、使用事例や認識されているリスクに応じてさまざまな義務を課す内容です。AIの使用例の大部分は低リスクだと考えられているため特に規制は行われませんが、「社会的信用ランキング」への使用やデータベース用の顔認識情報の収集・編集、学校や職場でのリアルタイム感情認識システムの使用などは、法律の施行から6カ月後に禁止されます。


また9カ月後には、欧州委員会によって設立された「EU AI事務局」とコンサルタント会社により、AI開発者の行動規範の策定が始まります。

施行から1年後の2025年8月からは、ChatGPTなどの汎用AIモデルのメーカーは、モデルが新たな透明性要件に準拠していること、および安全であること、ユーザーに簡単に説明可能であることを示す必要が出てきます。

2026年8月までには、AI法の諸規則は、EUで事業を営むすべての企業に適用されるようになります。ただし、インフラストラクチャや雇用関係、銀行、医療といった基幹サービス、司法制度に統合されたアプリケーションなど、ハイリスクなAIシステムの開発者については、リスク評価や監視規則への準拠のため、最長で2027年8月までの猶予が認められます。

AI法に従わない場合、違反した企業は総売上高のうちの一定割合または一定額の罰金が課されます。最高額だと世界の年間売上高の7%または3500万ユーロ(約60億円)だとのことです。

なお、AI法は「イノベーションを支援すべき」という理念から、科学的調査のみを目的として特別に開発され実用化されたAIシステムやモデルは対象から除外する必要があることや、市販される前・実用化される前のAIシステムやモデルに関する研究開発に影響を与えないものでなければいけないことが明記されています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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