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亡くなった俳優の「デジタルレプリカ」作成に関する法案がカリフォルニアの上院を通過


2023年6月からハリウッドの俳優や脚本家が実施したストライキでは、賃上げや労働環境の改善のほかに、「脚本家や俳優の仕事を奪うようなAIの使用を規制せよ」という要求も含まれていました。ストライキを通じて結ばれた契約には、「俳優のデジタルコピーをAIで作成する」ことへの規制条項がありましたが、この条項がさらに法整備まで拡大しつつあることが報じられています。

California Passes Law Requiring Consent for AI Use of Dead Performers
https://variety.com/2024/tv/news/california-ai-dead-performers-consent-sag-aftra-1236126432/


20203年6月30日から2023年11月10日まで実施された長期ストライキの結果、アメリカテレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)映画製作者協会(AMPTP)と10億ドル(約1460億円)規模の契約を結ぶことに成功しています。

契約には、ストリーミングコンテンツ収益の一部が組合員に支払われるといった内容や、組合員の昇給、俳優の賃金上昇などが規定されました。さらに、大きな争点となっていたのが「仕事を奪うようなAIの規制」についてであり、AI規制のひとつとして「AIを用いて俳優の顔の特徴を持ったデジタルコピーを作成する場合、企業側は俳優に同意を求める必要がある」という言及が含まれています。SAG-AFTRAの交渉責任者は、このルールは「亡くなった俳優」にも適用されると強調しました。

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AIで俳優の「デジタルレプリカ」を作ることに関する取り決めは、SAG-AFTRAとAMPTPの契約のみにとどまりません。SAG-AFTRAはデジタルレプリカ規制の立法化を強く押し進めており、2024年4月にはデジタルレプリカ法案の公聴会も開催されました。

アメリカのエンターテインメント誌であるVarietyが報じた内容によると、存命中の俳優のデジタルレプリカ作成時における同意要件を厳格化する法案が、カリフォルニア州上院により2024年8月27日に可決されたとのこと。さらにその4日後である8月31日には、亡くなった俳優についても遺族や遺産管理団体がデジタルレプリカを管理できるように同意が必要であるという法案を、同州上院が可決しました。

SAG-AFTRAはデジタルレプリカ法案の可決に際して「カリフォルニア州上院は、亡くなった俳優のデジタルレプリカを、遺産管理団体の同意を得ずに使用することを禁止する法案を可決しました。(存命中の俳優を保護する法案と合わせて)これら2つの法案は、組合員や組合員以外の人々を代表して組合が優先的に立法化してきたもので、当事者の明確な同意を義務づけます。契約と法律を組み合わせることで、パフォーマーの保護を強化することを目的としています」と声明を発表しました。上院で可決された後には下院で法案が審議され、下院でも可決された場合には上院と下院での調整と再度の可決を経た後に、法律の施行には州知事の署名が必要になります。そのため、SAG-AFTRAは声明で「私たちはこれらの法案がギャビン・ニューサムカリフォルニア州知事に署名されることを期待しています」と締めくくっています。


亡くなった俳優をAIの活用により最新の映画に登場させたり、亡くなったスターの声で本などを読み上げてくれるアプリなどが登場していますが、いずれも遺産管理団体の同意や提携が前提です。一方で、2024年7月にも同意のないAI使用を原因としたストライキが宣言されているなど、デジタルレプリカは争点の絶えないものとなっています。

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カリフォルニア州のデジタルレプリカ法案に関する公聴会に参加した弁護士のダグラス・ミレル氏は「現在成功している事例はそれぞれ、亡くなった出演者の声や肖像について、遺族または遺産管理人の代表者から同意が得られています。死後の出演について、一連の同意が今後も求められない、または求められるべきではないと考える理由は、どこにもありません。上院によるデジタルレプリカ法案の可決により、SAG-AFTRAの主張が保証されることになります」と述べています。

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in ソフトウェア, Posted by log1e_dh

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