セキュリティ

FBIが「イランが大統領選を標的にしたサイバー攻撃を行っている」と非難、トランプ陣営ハッキング事件の背後にイランの影

by Trump White House Archived

アメリカの連邦捜査局(FBI)、国家情報長官室(ODN)、サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)が2024年8月19日に、イランがアメリカ合衆国大統領選挙を標的としたサイバー作戦を展開しているとする共同声明を発表しました。

Joint ODNI, FBI, and CISA Statement on Iranian Election Influence Efforts | CISA
https://www.cisa.gov/news-events/news/joint-odni-fbi-and-cisa-statement-iranian-election-influence-efforts

US intelligence agencies blame Iran for Trump campaign security incident | CyberScoop
https://cyberscoop.com/iran-trump-campaign-hack-odni-statement/


FBIを含むインテリジェンス・コミュニティー(IC)は声明で、イランは長年にわたりサイバー攻撃を介して社会的緊張を利用しようとしてきたとした上で、「我々は、今回の選挙期間中に、特にアメリカ国民を標的とした影響力工作や大統領選の選挙運動を標的としたサイバー作戦など、イランの活動がますます攻撃的になっているのを観察している」と述べて、特に大統領選を念頭に置いたイランの動きが活発化しているとの見方を示しました。


大統領選を狙ったサイバー攻撃には、共和党の候補者であるドナルド・トランプ氏の選挙運動を危険にさらす最近の活動も含まれており、これもイランの仕業であるとICは断定しています。

ICはトランプ陣営にどのような被害が発生したのか明言していませんが、トランプ陣営は2024年8月10日に「内部通信の一部がハッキングされた」と発表しているほか、Microsoftも「イランのハッカーが6月に大統領選の重要人物にスピアフィッシングメールを送った」と報告しており、ICの非難はこのことを指しているものと考えられます。

ドナルド・トランプ陣営がハッキングされ内部文書が流出した可能性を受けFBIが調査を開始 - GIGAZINE


トランプ陣営への侵入事件とイランを結びつける証拠はまだ公表されておらず、流出した資料を入手したとされているメディアも沈黙を保っていますが、今回の声明は選挙戦へのハッキングとイランの関連を裏付ける、これまでで最も権威ある主張であると位置づけられています。

一方、イランの国連代表部の報道官は「以前発表したように、イランはアメリカ大統領選挙に干渉する意図も動機も有していません。アメリカ政府がその主張の正当性を本当に信じているのであれば、適切な証拠を我々に提供すべきであり、我々はそれに応じた対応を行います」と述べて、嫌疑を否定しました。

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in セキュリティ, Posted by log1l_ks

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