コモドオオトカゲのノコギリ状になった歯は獲物の肉を引き裂くために鉄の層でコーティングされていることが判明
インドネシアに生息するコモドオオトカゲ(コモドドラゴン)は世界最大のトカゲであり、これまでに確認された最大の個体は全長313cm、体重166kgに達します。科学誌のNature Ecology & Evolutionに掲載された新たな研究では、コモドオオトカゲのノコギリ状になった歯が「鉄でコーティングされている」ことが判明しました。
Iron-coated Komodo dragon teeth and the complex dental enamel of carnivorous reptiles | Nature Ecology & Evolution
https://www.nature.com/articles/s41559-024-02477-7
Komodo dragons have iron-coated teeth to rip | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/1052097
Komodo Dragon Teeth Have Iron Caps For Sharpness, Scientists Discover : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/komodo-dragon-teeth-have-iron-caps-for-sharpness-scientists-discover
コモドオオトカゲは主にイノシシやシカ、スイギュウといった大型哺乳類を食べる凶暴な捕食者です。歯はノコギリ状になっており、獲物の肉を引き裂くのに役立つようになっているほか、歯の間にある毒管から血液の凝固を防ぐ毒を注入することも判明しています。
新たにキングス・カレッジ・ロンドンなどの研究チームは、コモドオオトカゲの歯を分析するために、ロンドン動物園で飼育されていた「Ganas(ガナス)」という個体の歯を研究しました。ガナスは治療不可能な変成関節炎と診断されて2023年2月に安楽死させられましたが、その遺骨は保存されており科学的な分析が可能だったとのこと。
以下の写真が、コモドオオトカゲの歯です。湾曲した歯の一端がノコギリ状になっていることがわかります。
ノコギリ状になっている部分に近寄るとこんな感じ。ノコギリ状の部分がオレンジ色に染まっている様子が確認できます。研究チームは顕微鏡と分光法を使用して、コモドオオトカゲの歯の化学組成を分析しました。
・関連記事
コモドオオトカゲの密輸を防ぐため生息地のコモド島が観光客立ち入り禁止になる事態に - GIGAZINE
恐竜の時代には「ベジタリアンのワニ」が多く生息していたことが判明 - GIGAZINE
人は本当に「白い歯」であることにこだわらなければならないのか? - GIGAZINE
虫歯や歯垢の原因となる物質を減少させる可能性のある天然分子を発見 - GIGAZINE
太古の昔に地球にばっこしていた恐竜は一体どんな姿をしていたのか? - GIGAZINE
恐竜のバラバラの骨から「生きていた時の姿」を再構築するというパズルに挑む科学者たち - GIGAZINE
・関連コンテンツ