サイエンス

謎のオーパーツ「アンティキティラ島の機械」が「太陰暦カレンダー」だった可能性が浮上

by Anita Gould

オーパーツの1つとして知られる「アンティキティラ島の機械」は、月や惑星の運動予測に使われていたという説が存在します。このアンティキティラ島の機械が、古代ギリシア暦(太陰太陽暦)を示すためのものである可能性がいくつかの研究から示されました。

07-HJJuly24-AOTM-2.pdf
(PDFファイル)https://bhi.co.uk/wp-content/uploads/2024/06/07-HJJuly24-AOTM-2.pdf

University of Glasgow - University news - Gravitational wave researchers cast new light on Antikythera mechanism mystery
https://www.gla.ac.uk/news/headline_1086643_en.html

Antikythera mechanism, world's oldest computer, followed Greek lunar calendar | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/antikythera-mechanism-worlds-oldest-computer-followed-greek-lunar-calendar

アンティキティラ島の機械は、地中海の底から発見された用途不明の器具で、紀元前に製造されたはずなのに時計に似た精密な構造をしていることから「世界最古のコンピューター」とも呼ばれています。この機械の詳細な用途は不明ですが、「太陽、月、惑星の動きを追跡するために使われた」という説が有力です。新たに、いくつかの研究から「アンティキティラ島の機械は古代ギリシア歴に従っている」との説が浮上しました。

2020年、研究者のクリス・ブディセリック氏が率いるチームがX線画像から得られた情報を分析し、アンティキティラ島の機械が太陽暦(365日)の1年ではなく、太陰暦で使われる354日を1年として計算されていた可能性があることを突き止めました。

by Anita Gould

2024年に掲載された新たな研究論文では、グラスゴー大学のグラハム・ウォアン氏らが、レーザー干渉計重力波天文台のために開発された統計的手法や、ベイズ統計学で用いられる分析手法を用いて、アンティキティラ島の機械に存在する「穴」の数を計算した結果を記しています。

ウォアン氏らによると、アンティキティラ島の機械には半径77.1mmの円の中に354個か355個の穴があった可能性が高いことが判明したとのこと。これは古代エジプト人が使っていた365日暦ではなく、当時のギリシャで使われていた354日暦に則っていた可能性が高いことを意味しているそうです。また、各穴の半径方向の平均的なばらつきはわずか0.028mmであり、穴は並外れた精度で正確に配置されていたことも明らかになっています。


ウォアン氏らは「アンティキティラ島の機械にある穴の位置の正確さには、非常に正確な測定技術と、穴を開けるための非常に安定した技が必要だったでしょう」と述べました。

2020年の論文の共著者であるアンドリュー・トーニ氏はウォアン氏らの新しい研究を賞賛し、「より多くの学者が私たちの発見を受け入れ、検証してくれるようになったことを大変うれしく思います」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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