サイエンス

スマホに搭載可能な小型透視チップが開発される


テキサス大学ダラス校の研究チームが「スマートフォンに搭載できるサイズの小型透視チップ」を開発しました。透視チップは人体にとって無害なミリ波を用いて透視を実現しているそうです。

Array of 296-GHz CMOS Concurrent Transceiver Pixels With Phase and Amplitude Extraction Circuits for Improving Reflection-Mode Imaging Resolution | IEEE Journals & Magazine | IEEE Xplore
https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/10381731

Researchers Make Big Strides with Superman-Inspired Imager Chip - News Center | The University of Texas at Dallas
https://news.utdallas.edu/science-technology/superman-inspired-imager-chip-2024/

工場での製品検査や空港での荷物検査など、透視技術には産業や安全保障上の大きな需要があります。既存の透視装置はX線を用いたものが一般的ですが、日常的にX線装置を扱い続ける検査員には多少の影響が及ぶ可能性が指摘されており、各検査場ではシールドを設置するなどの対策が施されています。

研究チームはX線を用いない安全な透視技術として200GHz~400GHzの電波を用いた「テラヘルツイメージング」と呼ばれる技術に着目。長年の試行錯誤を経て、テラヘルツイメージングを用いた小型透視チップの開発に成功したことを2024年3月に報告しました。


透視チップを搭載したテスト基板が以下。透視チップの大きさは0.5mm×0.5mmで、スマートフォンなどの小型デバイスにも搭載できます。また、透視チップはプライバシー保護のために近距離でしか使えないように設計されており、透視実行時には観察対象を1インチ(2.54cm)以内に近づける必要があります。


テキサス大学ダラス校は透視チップが製品検査などの分野で活用できるとアピールしています。また、研究チームは将来的に5インチ(12.7cm)の距離で使える透視チップを設計する意向も示しています。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1o_hf

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