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創作がうまく進められない「ライターズ・ブロック」に陥ったときどう対処するか?について6人の作家が回答


創作活動をしていると、あと一文をどうしても思いつけなかったり、新しい作品やエピソードをまったく思いつけなかったりするライターズ・ブロックに陥ることがあります。ライターズ・ブロックについてどう思っているか、ブロックを感じた時どう対処しているのかといった疑問について、文学系メディアのLiterary Hubが6人の作家にインタビューしました。

Six Writers on How They Tackle Writer’s Block ‹ Literary Hub
https://lithub.com/six-writers-on-how-they-tackle-writers-block/


アメリカの小説家で、Netflixで映像化された「終わらない週末」などを生んだルマーン・アラム氏は、「ライターズ・ブロックというのは作り話です」と述べています。大きなアイデアが湧かない時や、書きたい気分ではない時はあります。しかし、だからといってつまらないものを書くことはいつでも可能で、何も書けなくなるわけではありません。それでもコンピューターや鉛筆を手に取る気すら起きない日もあるため、アラム氏はそんな日は読書をすることで、自分の作品や執筆能力を相対的に客観視するそうです。さらに、読書すらする気になれない日もありますが、考え続けることを執筆の一部として大事にしているとのこと。

小説家兼エッセイストでコロンビア大学芸術学部のノンフィクション執筆専攻のディレクターも務めているレスリー・シエラ・ジェイミソン氏は、若い頃にライターズ・ブロックに陥りました。その際にジェイミソン氏は酒を大量に飲んだほか、大量にお菓子作りをしたそうです。近年だと、タスクやプロジェクトがなかなか終わらせられないとき、そこから気をそらすために他のタスクやプロジェクトを引き受けましたが、「この方法はお勧めしません」とジェイミソン氏は述べています。いずれにしても、ジェイミソン氏は他のやることに集中して行き詰まったタスクから目をそらすことで、ライターズ・ブロックに対処していた様子。


アイルランドの作家であるジョセフ・オニール氏は「作家の中には、非常に強迫観念的な人がいます。たとえ一日でも書かなかったら、不安や罪悪感、さらには気分の悪さを感じます。私はその逆で、数分でも書いた後に、不安や罪悪感、さらには気分の悪さを感じ始めます。ですから、私にとって作家のライターズ・ブロックは異常ではなく、書くという行為自体が異常なのです」と独自の感覚を語っています。オニール氏にとっては、素晴らしいアイデアや文章を生み出そうとする行為自体が吐き気を催すもので、「書かない」という状態が自然な状態なため、創作をできていない時を悩むことはないとのこと。

アメリカの小説家、児童書作家でシラキュース大学教授を務めるジョージ・ソーンダーズ氏は、ライターズ・ブロックは「作家が自分に課したハードルが高すぎるのが原因」だとするアメリカの作家であるデイヴィッド・フォスター・ウォレス氏の考えを支持しています。ライターズ・ブロックに陥る作家は理想を求めるあまり、1行入力して削除し、次の行を入力して修正し、ということを繰り返してしまうというわけです。ソーンダーズ氏は「自分の修正プロセスに慣れること」をライターズ・ブロックの克服方法だと指摘しており、最初に書く文章は悪いものではなく単なるアイデアの出発点であるという考え方が重要だと説いています。


中国系アメリカ人の作家兼弁護士のチエン・ジュリー・ワン氏は、執筆の行き詰まりに直面した時はいつも、インスピレーションを求めて街に足を運ぶそうです。しかし、ただ外出すれば収まるというわけではありません。周りの人々の行動や街で見たものが新しいアイデア、キャラクターの展開、プロットのポイントとなり、思考を刺激してくれることを意識しているとワン氏は述べています。

日系2世の母を持つアメリカの小説家兼映像作家であるルース・オゼキ氏は、小説を初めて書いた時から「プロセスジャーナル」を書きとめているとのこと。プロセスジャーナルとは、今書いている小説とは関係ないアイデアだったり、実験的なテキストだったり、整っていないリラックスしたメモ書きだったり、執筆について気軽に書いておく話し相手のような文書のことを指します。なにか執筆で悩んだときは、プロセスジャーナルに質問するように書き留めることで、思考が整理されて答えが出てくることが多いそうです。執筆を始める前にプロセスジャーナルを開いてその日の出来事や執筆のモチベーションなどを書き込み、執筆が終わったらプロセスジャーナルに次のアイデアやToDoリストなどをメモするというように、常に向き合うことができるテキストファイルがあることが執筆を助けてくれるとオゼキ氏は語りました。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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