Amazonプライムビデオで映画「十二人の怒れる男」のサムネイルがAI生成画像になっていて「19人いる」と指摘あり
Amazonの動画配信サービスで、映画「十二人の怒れる男(原題:12 Angry Men)」のサムネイル画像が、作品とは関係ないAI生成の画像になっていることが指摘されています。
XユーザーのAndy Kellyさん: 「Just watching that classic movie on Prime Video, 19 Terrifying Men.
https://x.com/ultrabrilliant/status/1798470587230171369
「十二人の怒れる男」は1957年にアメリカで製作された映画で、陪審制度で陪審員となった12人の男性が、父親殺しの罪に問われる少年の裁判で評決に至るまでを描いた作品です。映画のほとんどのシーンが「陪審員の12人が評決を下すべく議論し合う密室」で繰り広げられています。
プライムビデオで「十二人の怒れる男」を見たというアンディ・ケリーさんは、プラットフォーム上で使用されている作品のサムネイル画像に問題があることを指摘しています。
Just watching that classic movie on Prime Video, 19 Terrifying Men. pic.twitter.com/brUeuvqCPf
— Andy Kelly (@ultrabrilliant) June 5, 2024
Kellyさんが投稿した画像には「12 Angry Men」と、「十二人の怒れる男」の原題が書かれているものの、画像には明らかに12人以上の男性がいるのがわかります。そのため、Kellyさんは「プライム・ビデオであの名作映画『十九人の恐るべき男』を観ているところです」と投稿。
映画では密室の中で12人の陪審員が少年が父親を殺したか否かについて議論しますが、以下の画像では明らかに12人以上の男性が並んでいます。
画像をアップで見ると、陪審員の顔が不自然につぶれているのがわかります。そのため、Kellyさんは「こんな画像が大手ストリーミングプラットフォームのトップページに掲載されているなんて、本当に信じられません。私たちはまさにAIのゴミ時代に突入したんです」と言及しました。
なお、日本語版のプライムビデオでは、問題のサムネイル画像は出てきませんでした。
個別のページでも「十二人の怒れる男」のワンシーンが流れるだけで、サムネイル画像が表示されるわけではありませんでした。
この他、Kellyさんのポストには「これは従業員の誰かがGoogleで検索して発見した画像をサムネイルに使用したんでしょう。スタジオが独自にこんな画像を作成して、メディアパックやストリーミングサービスで利用するなんてことはまず考えられません」という指摘も寄せられていました。
ソーシャルニュースサイトのHacker News上では、Apple Musicでアルバムの宣伝文句がAIで生成されていることが指摘されています。指摘したow293j45o23j氏は「数週間前にApple Musicでアルバムを見ていたところ、あるアーティストのアルバムの宣伝文句が、どれも言葉が多く、陳腐で、珍しい言葉を何度も繰り返し使っていることに気づきました。そこで、この件について調べてみたところ、アルバムの背景にある宣伝文句はすべてAIで生成されたものでした。Appleは数年前、この目的のためにある企業を買収しました。そのため、今ではApple Musicでアルバムの宣伝文句を読んで時間を無駄にしないようにしています」と記しています。
なお、「十二人の怒れる男」はプライム・ビデオで視聴できるだけでなく、Amazon.co.jpでBlu-ray版が税込1400円、DVD版が税込1129円、レーザーディスク版が税込2500円で購入可能です。
Amazon.co.jp: 十二人の怒れる男 [Blu-ray] : ヘンリー・フォンダ, マーティン・バルサム, リー・J・コッブ, エド・ベグリー, E・G・マーシャル, ジャック・ウォーデン, シドニー・ルメット: DVD
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