レビュー

プロ仕様なのに初心者でも使いやすい本格的なiPhone向け動画撮影アプリ「Kino」を使ってみたレビュー


iPhone向けにプロ仕様のカメラアプリを開発するHalideが、動画撮影アプリ「Kino」を2024年5月29日にリリースしました。細かい設定が可能でプロのニーズにも応える本格的な動画撮影ができ、なおかつ初心者でも簡単に操作できるのが売りとのことで、実際に「Kino」を使ってみました。

Kino — Pro Video Camera for iPhone
https://www.shotwithkino.com/

Kino - Pro Video Camera on the App Store
https://apps.apple.com/us/app/kino-pro-video-camera/id6472380172

App StoreでKinoのページにアクセスして、購入。価格は税込1500円です。


インストールしたKinoを起動します。画面を上にスワイプ。


Continueが下に出るので、マニュアルが終わるまでタップします。


最初にKinoの初期設定を「STARTER」と「CUSTOM」の2つから選びます。「STARTER」だとカラーフィルターの設定(後述)がプリロードされるので、まずは「STARTER」を選択して「Continue」をタップ。


次にカメラ・マイク・写真ライブラリへのアクセス許可を求められます。「許可」をタップしてカメラへのアクセスを許可します。


次にマイクへのアクセスを「許可」


写真ライブラリへのアクセスを許可するには「フルアクセスを許可」をタップします。


カメラ・マイク・写真ライブラリの項目にチェックマークがついたことを確認したら、「Continue」をタップ。


これでカメラが起動します。動画撮影のフォーマット設定を行うには右上をタップします。


デフォルトで選べるのは「4K・30・HDR・HEVC」「4K・24・LOG・PRORES 422」「4K・30・P3・H264」で、一番下の「CUSTOM」をタップすると細かくフォーマット設定を変更できます。


画質はHD(1280×720)・FHD(1920×1080)・4K(3840×2160)の3種類、フレームレートは60fps・30fps・25fps・24fpsの4種類から選べます。カラーグレードはsRGB・Display P3・BT2020 HLG・Apple Logの4種類。


コーデックはHEVC・ProRes 422Px・ProRes 422LT・ProRes 422・ProRes 422HQの4種類から選択可能。


左上にある「AUTO」をタップすると、露光設定をオートかマニュアルかを選ぶことができます。


マニュアルにすると、シャッター角度とISO感度を設定できます。


もちろんKinoは横向きの画面にも対応しています。右上のアイコンをタップすると、LUTを選択でき、ワンタッチでカラーフィルターをかけることが可能になります。


「STARTER」でKinoを起動した場合、デフォルトで7種類のLUTが登録されています。LUTを設定していない状態だとこんな感じ。



「SANDO」を設定したところが以下。


「GLOSTRUP」


やや色温度が上がり柔らかな画になる「LEKTAR」


暖色系で少しレトロな「KODIAK 79」


モノクロの「BNW」


色温度が低く暖色系の色合いになる「TAMARISK」


逆に色温度が高くなり寒色系の色合いになる「ALPINE」


動画を撮影するには、赤い録画開始ボタンをタップするだけ。撮影したファイルはデフォルトだと写真ライブラリに追加されますが、最長45分までしか撮影できません。


アプリの設定を行うには、歯車アイコンをタップ。


アプリで設定できるのは「Grades(カラーグレーディング)」「Video Recording(録画設定)」「Storage(ストレージ)」の3つ。


「Grades」では、「Import from Files」をタップすることで、iPhoneにローカルに保存している.cubeファイルを読み込み、独自のLUTを登録することが可能です。


「Settings」では、マニュアル撮影時の露光設定の表記をでシャッタースピード(Speed)かシャッター角度(Angle)かを選ぶことができます。また、「AutoMotion」は映画のようなモーションブラーに最適な露出設定を自動的に選択できる機能で、デフォルトでオンになっています。そのほか、ホワイトバランスや露出設定を固定するかどうかも選択できます。


「Storage」では、撮影した動画の保存先をファイル(Files)か写真ライブラリ(Photo Library)かを選べます。また、USBストレージを認識した場合、Kinoは自動的に外付けストレージに動画を保存します。


実際にKinoを使ってみたところ、とにかくUIがシンプルで使いやすいと感じました。Appleの純正カメラアプリだと、さまざまな設定を「設定」アプリから変更しなくてはならず、一旦カメラアプリから移動しなくてはいけないのが非常に面倒でした。しかし、Kinoはアプリ内で細かい設定が可能なので、その場で本格的な映像を撮影することが可能です。



同じように細かい設定が可能な動画撮影アプリに、Blackmagic Designがリリースする「Blackmagic Camera」が存在します。Kinoは有料アプリなのに対し、Blackmagic Cameraは無料で、なおかつBlackmagic Cameraの方がより多機能なので、iPhoneで本当にこだわって映像撮影を行うのであればBlackmagic Cameraの方がおすすめ。しかし、Blackmagid Cameraは設定項目が多いゆえにUIがやや複雑で、知識がないと使いこなすのは難しく、それに比べてKinoは初心者でも簡単に使える上に、.cubeファイルから読み込んだLUT設定をその場で反映した状態で撮影できるのもポイント。気軽な使いやすさではKinoの方が上だといえます。

Kinoの価格は5月31日までは9.99ドル(日本だと1500円)で、それ以降は19.99ドル(約3100円)になるとのことなので、気になる人は早めに購入するのがおすすめです。

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in レビュー,   モバイル,   ソフトウェア, Posted by log1i_yk

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