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Googleが視覚補助アプリ「Lookout」や「Googleマップ」などに障害者のアクセシビリティ向上に役立つ新機能を追加


毎年5月の第3木曜日は、デジタル分野におけるアクセシビリティについて啓発する「Global Accessibility Awareness Day(GAAD:グローバルアクセシビリティ意識向上デー)」です。Googleがこの日に合わせて公開したブログで、視覚補助アプリの「Lookout」や発話補助アプリの「Look to Speak」、そしてGoogleマップなどに追加された、障害を持つユーザーのアクセシビリティ向上に役立つ新機能について紹介しました。

8 new accessibility updates across Lookout, Google Maps and more
https://blog.google/outreach-initiatives/accessibility/ai-accessibility-update-gaad-2024/


Google Updates Maps, Lookout and Other Apps to Expand Accessibility - CNET
https://www.cnet.com/tech/mobile/google-updates-maps-lookout-and-other-apps-to-expand-accessibility/

◆Lookoutで周囲の物体を見つける
Lookoutは、スマートフォンのカメラで撮影した物体や風景について説明したり、郵便物に書かれた文章を読み取ったり、紙幣の種類を教えたりしてくれる視覚補助アプリです。新たに、特定のオブジェクトやアイテムを探すのに役立つ「検索モード」がベータ版としてLookoutに展開されました。検索モードでは、ユーザーが座席・テーブル・バスルームといった7つのカテゴリのアイテムのどれかを選択し、カメラを部屋内で動かすことで、アイテムの方向と距離を教えてくれるとのことです。

◆Look to Speakのテキストなしモード
Look to Speakは事前にカスタマイズされたフレーズを視線で選択すると、そのフレーズを音声で読み上げてくれる発話補助アプリです。新たに、テキストではなく絵文字や記号、写真を選択して音声をアクティブにできるテキストなしモードがLook to Speakに追加されました。この新機能は、認知の違いや識字能力の課題、言語の壁といったコミュニティからのフィードバックに基づいたものだとGoogleは説明しています。


◆Project GamefaceのAndroid版がオープンソース化
Project Gamefaceは眉毛や口の動きなどでマウスカーソルをコントロールできるオープンソースプロジェクトであり、筋ジストロフィー患者など触覚による操作が難しい人がゲームを楽しむのをサポートしています。新たに、Project GamefaceのAndroid版がGitHubでオープンソース化され、開発者がAndroidアプリでProject Gamefaceをサポートできるようになりました。

顔面でマウスカーソルを操作する「Project Gameface」がオープンソース化されAndroidで利用可能に - GIGAZINE


◆Googleマップの音声による詳細な経路指示
Googleマップに搭載されている「ライブビュー」は、カメラで周囲を撮影しながら目的地までの経路を確認できる機能です。新たに、目の不自由な人が詳細な音声ガイダンスによる経路確認を受けられる機能が、サポートされているすべての言語に展開されました。

◆Googleマップの車椅子に関するアクセシビリティ情報表示がデスクトップ版にも展開
Googleマップには、ビジネスオーナーやコミュニティメンバーが追加した車椅子に関するアクセシビリティ情報が表示されており、車椅子でアクセス可能な場所や車椅子対応のトイレがある場所などを知ることができます。これまで、車椅子に関するアクセシビリティ情報はAndroid版とiOS版で利用可能でしたが、新たにデスクトップ版にも拡張されました。

◆聴覚補助デバイスにアクセス可能な場所が発見可能に
Bluetooth規格に含まれている「Auracast」という機能は、公共端末と自身のBluetoothイヤホンなどをペアリングし、ブロードキャストされる音声を聞くことができるというものです。新たに、ビジネスオーナーがAuracast属性をビジネスプロフィールに追加できるようになり、Auracast対応の劇場やジム、礼拝所といった場所をGoogleマップで見つけられるようになりました。


◆Project Relateのカスタム方法の追加
Project Relateは、発話障害を持つ人々がパーソナライズされた音声認識モデルを作成し、コミュニケーションを取るのをサポートするアプリです。新たに、Googleドキュメントなどその他のアプリからフレーズをインポートし、モデルをカスタマイズできるようになりました。

◆音検知通知機能の新しいデザイン
音検知通知はインターホンの呼び鈴や煙探知機の警告音といった音が発生した際、スマートフォンのプッシュ通知やカメラフラッシュの点灯、バイブレーションといった聴覚以外の方法でユーザーに通知してくれる機能です。新たにユーザーのフィードバックを受けて、オンボーディングプロセスやサウンドイベントの参照を改善したほか、家電製品の音声をより簡単に保存できるようになりました。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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