NASAが月面浮上式鉄道計画を発表
月面で基地間の荷物輸送や資源の運搬を効率的に行うべく、世界初の月面鉄道を敷設する計画をNASAが発表しました。
Flexible Levitation on a Track (FLOAT) - NASA
https://www.nasa.gov/directorates/stmd/niac/niac-studies/flexible-levitation-on-a-track-float/
NASAが提案した月面鉄道は「FLOAT(Flexible Levitation on a Track)」と名付けられています。FLOATは、3層からなる「フレキシブルフィルムトラック」と、その上を浮遊する無動力磁気輸送ロボットで構成されるシステムです。
フレキシブルフィルムトラックは、反磁性浮遊を利用して輸送ロボットを浮かせる「グラファイト層」と、ロボットを制御するための電磁スラストを発生させる「フレックス回路層」、太陽光発電を行う「薄膜ソーラーパネル層」に分かれています。
輸送ロボットは車輪や脚などの可動部がなく、浮遊するため、摩耗を最小限に抑えることができるとされています。個々のロボットはさまざまな形状の荷物を0.5m/s以上の速度で運搬可能で、大規模なFLOATシステムを構築すれば1日に最大10万kgの荷物やレゴリス(月面堆積層)を何kmも移動させられるとのこと。
FLOATは従来の道路や鉄道とは異なり、現場での大規模な工事を避けられるという利点もあります。
今後、NASAはプロトタイプの設計・製造・試験を行い、運用に向けて開発を進めていくとのこと。
NASAは「耐久性に優れた長寿命なロボット輸送システムは、NASAの月火星間計画やロボット月面探査2号のようなミッションコンセプトで構想されているように、2030年代に持続可能な月面基地を日常的に運用する上で不可欠なものとなります」と述べました。
・関連記事
NASAは将来の月面探査ミッションに備えて2026年末までに「月のタイムゾーン」を策定する予定 - GIGAZINE
NASAが「火星のシミュレーション環境で1年間暮らす実験」の参加者を募集中、資源の限られた環境で模擬船外活動などに従事する予定 - GIGAZINE
世界初の高解像度な「月の地図」を中国科学院が公開、将来の月面探査ミッション必携の書 - GIGAZINE
NASAが月面探査ミッション「アルテミス計画」の有人月面着陸を1年延期し2026年9月に実施へ、理由は「安全のため」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article here.