【訃報】ヒッグス粒子の提唱者のピーター・ヒッグス氏が死去
「ヒッグス粒子」として知られる素粒子の存在を提唱した物理学者のピーター・ヒッグス氏が、94歳で死去しました。
Statement on the death of Professor Peter Higgs | The University of Edinburgh
https://www.ed.ac.uk/news/2024/statement-on-the-death-of-professor-peter-higgs
Peter Higgs, physicist who proposed Higgs boson, dies aged 94 | Peter Higgs | The Guardian
https://www.theguardian.com/science/2024/apr/09/peter-higgs-physicist-who-discovered-higgs-boson-dies-aged-94
「ヒッグス粒子」存在予言 ノーベル物理学賞受賞 ピーター・ヒッグス氏死去 94歳 | NHK | イギリス
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240410/k10014417521000.html
物質を構成する最小単位「素粒子」の一つとしてその存在が提唱されたのがヒッグス粒子です。ヒッグス粒子は万物に質量を与える素粒子とされ、現代でこそ「質量」というものの起源を理解するのに役立つ存在として知られていますが、ヒッグス粒子は目に見えず、ヒッグス粒子が存在するかもしれないという考えすら誰も思いつきませんでした。
ところが、1964年にヒッグス氏が「ヒッグス機構」と呼ばれる理論を提唱したことで、粒子に質量を持たせる何かが実在するかもしれないという考えが語られるようになりました。その後も理論の中でしか語られなかったヒッグス粒子でしたが、高エネルギーを要する物理実験を行うことを目的としてつくられた「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」を使った実験により、ヒッグス粒子の理論に合致するものが存在することが確かめられました。ヒッグス粒子を提唱した功績により、ヒッグス氏は物理学者のフランソワ・アングレール氏と共に2013年にノーベル物理学賞を受賞しました。
ヒッグス氏は1929年5月29日にイギリスで生まれ、1950年にキングス・カレッジ・ロンドンを物理学で優秀な成績を収めて卒業しました。1年後に修士号を授与され、クリストファー・ロンゲ・ヒギンズ氏らの指導の下で研究に専念しました。1954年、ヒッグス氏は「Some Problems in the Theory of Molecular Vibrations(分子振動の理論における諸問題)」と題する論文で博士号を授与されました。同年、ヒッグス氏はエディンバラ大学へ移籍。その後はいくつかの大学を転々としましたが、物理学者としての人生の大半はエディンバラ大学で過ごしました。
現地時間の2024年4月9日、エディンバラ大学がヒッグス氏の訃報を伝えました。同大学によると、ヒッグス氏は短期間の闘病の末、4月8日に自宅で安らかに息を引き取ったとのことです。
訃報に際し、エディンバラ大学のピーター・マティーソン校長は、「ピーター・ヒッグスは傑出した人物であり、真に才能ある科学者でした。彼のビジョンと想像力は我々を取り巻く世界についての知識を豊かにしました。彼の先駆的な研究は何千人もの科学者の意欲をかき立て、彼の遺産は今後何世代にもわたって多くの人々を刺激し続けるでしょう」と追悼の言葉を寄せました。
・関連記事
「ヒッグス粒子」とは何かを「雪」で表現するとわかりやすくなる - GIGAZINE
本当にヒッグス粒子を発見した「天才」は誰なのか? - GIGAZINE
ヒッグス粒子とみられる新粒子発見がどれだけのレベルですごいことなのかがよく分かる現場の写真まとめ、ピーター・ヒッグス氏も登場 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article here.