日本語対応マルチモーダルAI「Claude 3」はわずか2つのプロンプトで量子アルゴリズムを設計可能
2024年3月に発表されたAnthropicの大規模言語モデル「Claude 3」は、20万トークンまでのコンテキスト長に対応しているほか、さまざまなベンチマークにおいてOpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」を上回っています。そんなClaude 3について、AIスタートアップのExtropicのギヨーム・ヴェルドン氏が「Claude 3はわずか2つのプロンプトを入力するだけで量子アルゴリズムをゼロから設計することが可能」と報告しています。
[2403.01775] Quantum Dynamical Hamiltonian Monte Carlo
https://arxiv.org/abs/2403.01775
Claude 3 Opus just reinvented this quantum algorithm from scratch in just 2 prompts.
— Guillaume Verdon (@GillVerd) March 5, 2024
The paper is not on the internet yet. ???????? https://t.co/BwBPpwboVG pic.twitter.com/rdv0SWAhe7
Claude 3のモデルには、安価でコスト効率に優れる「Haiku」やコストと性能のバランスに優れた「Sonnet」、高価ではあるものの高性能な「Opus」という3つのバリアントが存在します。今回量子アルゴリズムの設計が可能であることが報告されたのは、この内の「Opus」です。
ヴェルドン氏はClaude 3に対し「既存の研究を超えるために、量子コンピューターを使ってハミルトニアン・モンテカルロ法を実行する方法を考えてください」との指示を出しました。
するとClaude 3はハミルトニア・モンテカルロ法について解説した後、Claude 3は量子コンピューターを用いてハミルトニア・モンテカルロ法を実行する方法を7ステップに分けて提示しました。
Claude 3が提示した量子コンピューターでのハミルトニア・モンテカルロ法の実行方法が以下。
1:量子をハミルトン関数に符号化
2:量子をリープ・フロッグ法を用いて積分する
3:量子運動量のリフレッシュメント
4:量子へのメトロポリス・ヘイスティングス法の適用
5:量子トモグラフィーに基づく量子的対象の同定
6:量子焼きなまし法の適用
7:量子の並列化
さらにヴェルドン氏はClaude 3に対し「量子コンピューターでのハミルトニア・モンテカルロ法の実行を古典的なアルゴリズムに書き換えてください」と指示しました。するとClaude 3は、リープ・フロッグ法に基づく積分器を既存の量子力学に変えるための方法を提案したとのこと。
ヴェルドン氏は「このアルゴリズム全体を考えるのはとても簡単ですが、細かいバランス条件を確実に満たすことや、ハミルトン関数への符号化に複雑さを抱えています。しかし、Claude 3はこのアルゴリズムの作成方法をわずか2分以内に正しく推測してくれました」と語っています。
This whole algorithm is pretty straightforward to think about, the devil lies in the details ensuring detailed balance condition is met and how to do the Hamiltonian encoding in practice. Still, was surprising that it guessed correctly how to create this algorithm within 2 prompt
— Guillaume Verdon (@GillVerd) March 6, 2024
ヴェルドン氏はClaude 3について「今後のAI研究におけるワークフローにClaude 3を導入してみようと思います」と述べ、Claude 3を高く評価しています。
Probably will try to use it as part of my workflow now
— Guillaume Verdon (@GillVerd) March 5, 2024
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