レビュー

誰でも簡単に琴葉茜や結月ゆかりの自然な読み上げ音声を生成できる「A.I.VOICE2」レビュー


高品質音声合成エンジン「AITalk」を開発するエーアイが、新世代DNN音声合成エンジン「AITalk6」を活用したNeuralボイスライブラリを搭載した「A.I.VOICE2」を2023年12月22日にリリースしました。A.I.VOICE2は自然で人間らしい声を目指した「Neuralボイスライブラリ」に対応し、アクセント句ごとにスタイル変更をしたり、より直感的で簡単な操作で音声合成ができたりするとのこと。A.I.VOICE2を操作する機会が得られたので、実際に触ってみました。

A.I.VOICE
https://aivoice.jp/

A.I.VOICE2の体験版はユーザーサポートサイトでダウンロード可能。今回は「琴葉茜/葵」をクリック。


A.I.VOICE2はWindows版とMac版が用意されています。今回はWindows版をクリックしてインストーラーをダウンロードします。インストーラーはZIP形式で配布されており、ファイルサイズは約880KBです。


ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、中にある「setup.exe」を実行します。


今回は「インストール」にある「A.I.VOICE2 琴葉茜(NV)」をクリック。


A.I.VOICE2 琴葉茜(NV)のセットアップウィザードが起動するので、「使用許諾契約の条項に同意します」にチェックを入れて「インストール」をクリック。


インストールが終了したら「完了」をクリックします。


インストールされた「A.I.VOICE2 Editor」を起動します。アクティベーションをするかを尋ねられるので「Yes」をクリック。


今回はエーアイからレビュー用に提供してもらったアクティベーションキーを入力し、「アクティベート」をクリック。これで「琴葉茜(NV)」のアクティベーションが完了します。同様に「琴葉葵(NV)」「伊織弓鶴(NV)」「紲星あかり(NV)」「結月ゆかり(NV)」のアクティベートも行いました。


5人の声をインストールしたA.I.VOICE2 Editorの画面はこんな感じ。真ん中にあるカラムが入力欄で、左カラムからキャラクターを選択して+アイコンをクリックすることで、入力欄を増やすことができます。


音声を生成したい場合、真ん中にあるテキストブロックに読み上げさせたい文章を入力します。


今回は夏目漱石の「吾輩は猫である」冒頭部分を入力してみました。文章を入力すると、自動で読みが生成され、画面下に表示されます。


声を変更したい場合は、キャラクターをテキストブロックにドラッグ&ドロップすればOK。


A.I.VOICE2で琴葉茜・琴葉葵・伊織弓鶴・紲星あかり・結月ゆかりの5人に、「吾輩は猫である」の冒頭を読んでもらったところが以下のムービー。関西弁が特徴的な琴葉茜や琴葉葵は、伊織弓鶴・紲星あかり・結月ゆかりとは大きく異なり、方言らしいアクセントが加えられているのがよくわかります。文章を入力してからアクセントや読みの編集は一切行っていないのでややぎこちない部分もありますが、かなり自然でなめらかな会話音声が生成できました。

琴葉茜・琴葉葵・伊織弓鶴・紲星あかり・結月ゆかりの5人に音声合成ソフト「A.I.VOICE2」で「吾輩は猫である」の冒頭を朗読してもらった - YouTube


アクセントは高低で表示され、クリックすることで簡単に調整可能。以下のムービーは、実際に冒頭部分のアクセントを調整する様子です。

音声合成ソフト「A.I.VOICE2」で琴葉茜のアクセントを調整するところ - YouTube


たとえば以下は「何だかフワフワした感じがあったばかりである」という部分を編集するところ。再生して確認したところ、「アッタバカリデ」としゃべってもらう時に「ば」で少しアクセントを上げてほしいと思いました。


「アッタ」と「バカリデ」の間の少し上にカーソルを置くと、「アッタバカリデ」をちょうど「アッタ」と「バカリデ」という2つのアクセント句に分割することができました。


連続するアクセント句はそのまま続けて読み上げてくれます。また、アクセント句の間に間を設定することも可能です。


さらに、A.I.VOICE2の特徴として、アクセント句ごとにスタイルを変更することが可能になりました。例えば、以下は音の高さを編集しているところ。「ワガハイハ」で少し低くして、「ネコデアル」で少し高くする、といった細かい調整が可能です。


アクセントや音調を調整するとどれだけ変化するのかが以下のムービーを見るとよくわかります。前半は文字入力で自動生成されたものをそのまま、後半は読みを訂正した上で、関西弁をベースにアクセントや音調を適宜調整しています。

琴葉茜に芥川龍之介「羅生門」の冒頭をA.I.VOICE2で読み上げてもらった、アクセント編集前と編集後を比較 - YouTube


アクセントのほか、音量、速度、高さ、抑揚が編集可能。また、「喜び」「怒り」「悲しみ」「蕾」という音量・速度・高さ・抑揚のプリセットとなる発話スタイルも用意されているので、簡単に声の調子を作ることが可能。実際に琴葉茜にさまざまな感情で「吾輩は猫である」の冒頭を読み上げてもらった様子を以下のムービーで見ることができます。

A.I.VOICE2で琴葉茜にさまざまな感情で「吾輩は猫である」の冒頭を朗読してもらった - YouTube


頻出する固有名詞や自動だと正しい読みが設定されない言葉については、辞書登録することが可能。画面上部の本アイコンをクリックします。


ユーザー登録のウィンドウが表示されるので、右下の「新規登録」をクリック。


見出しと読みを入力し、下に表示されるアクセントを設定したら「登録」をクリックします。


これでユーザー辞書に言葉が登録されました。


生成した音声はWAV形式で書き出すことができます。下のアクセント表の上にある「書き出し」をクリックするとテキストブロック単位で、画面右上にある「一括書き出し」をクリックすると、すべてのテキストブロックをまとめて音声として書き出します。


A.I.VOICE2を実際に使ってみると、動画のナレーションに役立つ音声を簡単に作ることができました。自動生成された時点でかなりなめらかな音声で、さらにアクセントや音調の編集は直感的で非常に簡単なので、初心者でも簡単に扱えるのがポイントです。なお、2024年春には「立ち絵の口パク機能」やプロジェクト設定の追加が、2024年夏頃には「フレーズ一覧、単語一覧の検索・並べ替え機能」「プロジェクトエクスポート」「設定のインポート、エクスポート」が実装される予定です。

A.I.VOICE2はダウンロード版がAmazon.co.jpで取り扱われています。「琴葉 茜・葵」が税込1万4740円、「伊織弓鶴」「紲星あかり」が税込1万2980円、「結月ゆかり」が税込1万4080円で購入可能です。

Amazon.co.jp: エーアイ A.I.VOICE 2 琴葉 茜・葵 ダウンロード版 音声合成ソフト : PCソフト


Amazon.co.jp: エーアイ A.I.VOICE 2 伊織 弓鶴 ダウンロード版 音声合成ソフト : PCソフト


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Amazon.co.jp: エーアイ A.I.VOICE 2 結月ゆかり ダウンロード版 音声合成ソフト : PCソフト

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in レビュー,   ソフトウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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