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Appleがサードパーティーのログインオプションを使用するアプリでの「Appleでサインイン」の使用義務を撤廃


Appleがアプリストア「App Store」におけるガイドラインを改訂し、「ログインの際にGoogleやFacebook、X(旧Twitter)など、サードパーティー製のオプションを使用できるアプリで、『Appleでサインイン』の導入を義務付ける」という要件を削除しました。ただし、「Appleでサインイン」の使用義務が撤廃されても、「特定のプライバシー機能を備えた追加のログインサービス」の提供が義務付けられています。

Apple (sort of) removes its requirement that apps offer 'Sign in with Apple' support - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/01/27/sign-in-with-apple-rules-app-store/


従来のApp Storeのガイドラインには、「Facebookログイン、Googleログイン、Twitterでサインイン、LinkedInでサインイン、Amazonでログイン、またはWeChatログインなどのサードパーティまたはソーシャルログインサービスを試用して、ユーザーのプライマリアカウントを設定、認証するアプリは、同等のオプションとして『Appleでサインイン』を提供しなければなりません。ユーザーのプライマリアカウントとは、アプリで自身を識別し、サインインし、機能や関連サービスにアクセスするために設定するアカウントのことを指します」との記載がありました。

しかしAppleは2024年1月、App Storeのガイドラインを改訂。サードパーティーまたはソーシャルログインサービスを使用するアプリに対し、「同等のオプションとして別のログインサービスも提供する必要があります」と義務付けました。


Appleが規定するログインサービスの要件が以下。

・データ収集をユーザーの名前とメールアドレスに限定するログインサービスであること。
・アカウント設定の一環として、ユーザーがメールアドレスを非公開にすることを許可すること。
・ユーザーがアプリとのやり取りをしている間、ユーザーの追跡を行わないこと。

Appleによると、今回のガイドライン改訂は世界中のApp Storeガイドラインに適用されるとのこと。なおAppleは「会社独自のアカウント設定やサインインシステムを独占的に使用していること」「教育機関や企業アカウントでサインインする必要がある教育、企業、ビジネスアプリであること」「政府または業界が支援する市民識別システムや電子IDを使用してユーザーを認証するアプリであること」「アカウントに直接サインインする、特定のサードパーティーサービスのクライアントアプリであること」に該当するアプリは、プライバシー重視のログインオプションの提供義務がないとしています。

一方で海外メディアの9to5Macは「『Appleでサインイン』以外に、これらの要件を満たすサインインサービスが存在するでしょうか。今回のAppleのガイドライン改訂は、ガイドラインに明示されていなくても、今後も開発者は『Appleでサインイン』を使用し続けなければならないことを意味しています」と指摘しています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1r_ut

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