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ミッキーが初めて登場したあの「蒸気船ウィリー」の音声の不完全性を修正するとこうなる


初めてサウンドトラック方式を採用した短編アニメーション「蒸気船ウィリー」にフラッターエコー(音響障害)があることに目を付けたソフトウェア開発者が、フラッターエコーを取り除く処理を行い、その結果を共有しました。

absorptions: Smoother sailing: Studying audio imperfections in Steamboat Willie
https://www.windytan.com/2024/01/smoother-sailing-steamboat-willie-flutter.html


「蒸気船ウィリー」は初めてミッキーマウスが登場した公開作品として知られており、コミカルな動きと効果音、軽快な音楽が特長です。2024年にはついにパブリックドメインになるとの観点から一時期話題になりました。

Steamboat Willie (1928 Film) - 4K Film Remaster - YouTube


ソフトウェア開発者のウーナ・ライザネン氏によると、蒸気船ウィリーにはいくつかのフラッターエコーが存在し、ノイズが混ざったような音が聞こえることがあるとのこと。フラッターエコーとは音が周囲の構造物で反射し、その響きが残ることによって生じるノイズです。ソフトウェア開発者ならではの知識を生かし、ライザネン氏はこのノイズを改善しようと試みたそうです。

たとえば上記動画の1分45秒当たり、登場人物のピートがかみタバコをかんで唾液を鐘に当てているシーンがあります。鐘の音の周波数を見ると以下のようになり、まったく一貫した音が出ていないことがわかります。


こうした音を自然に処理し、フラッターエコーを打ち消すことができるソフトウェアを見つけたライザネン氏は、いくつかのシーンを取り上げてフラッターエコーを消す処理を行いました。

以下がシーンをまとめた比較動画です。一つ目の口笛のシーンはややわかりにくいですが、二つ目の牛が鳴くシーンや、三つ目の牛がつり上げられたときに鳴るベルの音、四つ目のヤギの体内で鳴るベルの音を聞くと、耳障りなノイズが低減されていることがわかります。

「蒸気船ウィリー」のフラッターエコーを取り除いたらどのような違いが生まれるのかがわかるビフォーアフター - YouTube


ちなみに、元のオーディオトラックを見ると、映画のフレームレートである24Hzと、北米の電源周波数である60Hzの倍数で強い振動が見られるそうです。「当時のレコーディングスタジオでプロジェクターが稼働していたのでは」と考察したライザネン氏ですが、この考察に対し「映像に音楽を同期させるために実際にプロジェクターが稼働していた可能性がある」との指摘が行われました。

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in 動画,   アニメ, Posted by log1p_kr

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