米国証券取引委員会がXアカウントを乗っ取られ「ビットコインETFの上場を認める」と投稿する事態が発生＆投稿直後にビットコインの価格が急上昇

日本時間の2024年1月10日に、米国証券取引委員会(SEC)のX(旧Twitter)アカウントが「ビットコインETFの上場を認める」という偽情報を投稿しビットコインの価格が急上昇する事態が発生しました。記事作成時点では当該ポストは削除されており、SECはXアカウントが何者かに乗っ取られたと説明しています。

US SEC’s X account hacked to announce fake Bitcoin ETF approval
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/us-secs-x-account-hacked-to-announce-fake-bitcoin-etf-approval/

SECのXアカウントに投稿されていたポストが以下。投稿内には「SECはビットコインETFの上場を認める」と記されているほか、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が「この承認によって市場の透明性が向上し、投資家は規制の枠組み内でデジタル資産投資に効率的に取り組めるようになります」と発言したとするフェイク画像も埋め込まれています。

「SECがビットコインを証券として認めた」という偽情報は瞬時に拡散され、ビットコインの価格は急上昇しました。ビットコインの価格推移を確認すると、日本時間の2024年1月10日6時15分頃に価格が急上昇していることが分かります。

その後、偽情報は削除され、SECが「Xアカウントが侵害されて、不正なポストが投稿されました。SECはビットコインの上場や取引を承認していません」と投稿したことを受けてビットコインの価格は急下降しました。

また、ゲンスラー委員長も自身のXアカウントに「SECのTwitterアカウントが侵害されて不正なツイートが投稿されました」と投稿し、「SECがビットコインを証券として認めた」という情報が偽情報であることを強調しています。

SECは海外メディアのBleepingComputerに対して「不正投稿はSECのスタッフによって行われたものではありません」「SECは未知の人物によるXアカウントへの不正アクセスがあったと認識しており、その不正アクセスはすでに終了しています」とコメントしており、SEC内部の関与を否定しています。ただし、SECはBleepingComputerによる「Xアカウントで二要素認証を有効化していたか否か」という質問に応じていません。

なお、ゲンスラー委員長は2024年1月9日に「仮想通貨投資サービスを提供する企業は証券法などの法律を守っていない可能性があります」「仮想通貨への投資はリスクが高く不安定なことが多いです。多くの主要なプラットフォームや仮想通貨が破産したり価値を失ったりしています」「仮想通貨の人気の高まりを悪用して個人投資家に詐欺を働く詐欺師が存在しています」といったポストを連続投稿しており、仮想通貨に対して否定的な姿勢を示しています。

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